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 京都大iPS細胞研究所(CiRA、山中伸弥所長)は、赤ちゃんのへその緒や胎盤に含まれる血液(臍帯血〈さいたいけつ〉)の細胞から、再生医療に使うiPS細胞を作製した。今月中にも研究機関などに提供する体制を整える。

 CiRAは、移植しても拒絶反応が起こりにくい免疫タイプの人の血液からiPS細胞を作り、医療用に蓄える計画を進めている。

 すでに提供されているiPS細胞は、大人の血液細胞から作られている。臍帯血を使ったiPS細胞は、紫外線などの影響による遺伝子変異が少ないという。臍帯血は、すでに閉鎖した東海大病院(神奈川県)の臍帯血バンクが提供した。

 今回のiPS細胞の免疫タイプはすでに提供しているものと同じで、日本人の17%で拒絶反応が起きにくい。CiRAは今後、臍帯血バンクのほか、献血や新たに骨髄バンクに登録した人にも協力を呼びかけ、様々なタイプをそろえる方針。