映像 ★★★★★
二人の空気感 ★★★★
永作さんが作るお弁当 めっちゃ美味しそう
結論:観るとお弁当を作りたくなる映画。
2008年 日本
脚本:ユースケ・サンタマリア
毎日弁当を作る女。それを無言で食べる男。
これはそんな二人の物語。
/登場人物/
■弁当を作る女(演:永作博美)
毎朝豪勢なお弁当を作る女。37歳。
246号線沿いのビルにある、高級ギャラリーに勤務。「のちほど~」が口癖。
■男(演:ユースケ・サンタマリア)
246号線沿いの路上で「金魚屋コーヒー」を営む男。37歳。
昼休みは代々木公園でいつも女と一緒にお弁当を食べるのが日課。しかし同棲生活が長いせいか、最近は互いに会話がない。
■押しちゃった男(演:ムロツヨシ)
男のコーヒー店の常連さん。
つい最近、離婚届にハンコを押しちゃった。(ちなみにバツ2)
■毎日いる常連さん(演:浜野謙太)
毎日男のコーヒー店にやってくる常連さん。突如自分の目の前で始まった別れ話を聞いてしまうも、気まずさにめげずにコーヒーを買うぐらい、男のコーヒーが好きらしい。
ストーリー
毎日、朝から手の込んだ弁当を作る女。
男はいつも後から起きてくる。二人の間には、ほぼ会話がない。女はそんな男に、いつも「のちほど~」と声をかけ仕事へいく。
二人分のランチボックスを入れた大きなトートバッグをカゴに載せ、246号線沿いの坂道を自転車で登り、いつもの仕事をそつなくこなす女。職場のビルからは、路上で仕事をしている男の姿が見える・・・。
昼休み。
二人はいつも、公園で一緒に弁当を食べる。会話はない。同じリズムで日々は続いていた。
だがある日。
女が昼休み前に男の店へやってくる。
話があるという女は、「籍、入れてくんないかな」と切り出す。だんまりを決め込む男だが、「イヤなら別れよう」ときっぱりと言われてしまう。
そして昼休み。
男は「サインとハンコをお願いします」といって、女に婚姻届を渡す。あまりの早さに驚くが、なぜか持ち歩いていたハンコを押す女。コーヒーをご馳走してくれるという男が立ち去ったあとに、女は一人、嬉しそうに笑った──。
さりげない日常から漏れ出す空気
永作さんがお弁当を作るシーンから始まるこの映画。
横から永作さんが料理しているのをずっと映してるんですが、永作さんのテキパキとした手つきとか、色とりどりの食材やキッチンの料理道具から溢れ出す、"日常の空気"が凄く心地いい。
そしてなんといっても、初日に永作さんが作ってるスパゲッティのお弁当が超美味しそう!! ナポリタンが白いピクニックスクエアボックスのお弁当箱に映えて・・・もうなんか自分でも作りたくなってくる(笑)でも実際に太巻きとかスパゲッティとか、そんな手の込んだもん毎朝作るのは超大変だよ!死ぬよ!
毎日お弁当を入れた大きなバッグを持って職場へ行って、お昼になったら一緒に食べる・・・これだけ聞くとすっごい仲がよさげに見えるけど、実際は互いに会話もなく、同じ日々が淡々と続いてて、すっかりマンネリ化しちゃってるカップルを描いたこの物語。
永作さんが演じる女は、家事も仕事もテキパキと完璧にこなして、ビシッとスーツで決めてる、いかにもサバサバしてそうなキャリアウーマン。合間の休憩時間に煙草を吸う姿がめっちゃ男前。それに対比するように、毎朝だら~っとソファに横になり、「いただきます」も「ごちそうさま」も言わずにご飯を食べる、ユースケさん演じる男。何も言わなくても、ただいるだけでうだつのあがらなさ感が伝わってくるという・・・(笑)
そんな中、
男に突然切り出される結婚話!
入籍か、別れるか・・・
いきなり人生の岐路に立たされた男は、
(´・ω・`)<むぅ~
って子供がスネるみたいにに黙っちゃう。ここのユースケさんの顔がホント憎たらしいぐらいに可愛いから参る。
思わずヘタレか!ってツッコミたくなるけど、その日の昼には即効で婚姻届を持ってくるという・・・。潔くてびっくりしちゃうけど、きっと男の方も口や態度に出していないだけで、悩んでいたのかもしれない。
そしてこの思ってもみない対応の早さに、ちょっときょどる女の、ぎこちない敬語まじりの会話も可愛い。最後の「ははっ」と声が出ちゃうぐらい嬉しそうに笑う永作さんがほんとチャーミング。こんなんいくらでも嫁に貰うわ。
コーヒーを入れてくるのに、いつもだらだら歩く男は小走りになってたり、女は何だかんだいってしっかり朱印とハンコを持ってたり・・・やっぱりどこか似た者同士な二人は、きっと結婚しても特に変わるわけでもなく、今日と変わらずお弁当を作り、一緒に食べる日が続くのでしょう。ただ、そこに一人増えるだけで。
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最後に!
国道246号線をテーマに、俳優やミュージシャンが監督した6つの短編作品「R246 STORY」内の作品の一つ。他の作品の内容は(失礼ながら)忘れてしまったのですが、この「弁当夫婦」はダントツに好きで・・・。しかしDVDよりも先に、映画で使われてたお弁当箱を買っちゃったという思い出の映画。25分程度の短編でセリフも多く無いけれど、不思議と心地よい余韻が残る・・・そんな作品でした。