電気と物理の融合音。
学生のジョシュ・シェルドンさんが、一から手製のオルガンをビルドしました。このオルガンはステッパー・モーター・オルガンと名付けられ、49の回転するディスク、手作りの鍵盤、そして背面に駆動するステッピングモーター群で構成されています。
原理を説明する前に、まずはその音をお聞きください。
こちらはLaughing Squidに掲載されたもの。
おわかりだろうか……。ローパスフィルターをかけたオルガンのような音がしますが、モーターの駆動音を音程として制御しているんです、これは。
ステッピングモーターを逆駆動することで誘導される擬似正弦波は、スピーカーで増幅すると音として聞けます。ジョシュさんはこの音にトキメキを感じ、これを利用した楽器を作ることを決心しました。
音程はモーターが高速であれば高く、ゆっくりであれば低くなるため、それぞれのモーターごとに半径の異なる49のディスクを作り、音程を決めています。ディスクとつながる連結機構と鍵盤も自作し、鍵盤を押下することでディスクとモーターが係合、音程が発声されるというのが大まかな仕組み、だそうです。
となると動画冒頭のノイズ的に感じる音は、速度(音程)を確認するチューニングかもしれません。
原理自体はシンプルですが、回転速度の調整や各機構の組み合わせなどは緻密な作業の積み重ねを要するところでしょう。しかも制作期間は約1カ月っていうんですから、ジョシュさんのクラフトスキルに驚きます。
何でもない音も、組み合わせや調整によって和音を奏でる楽器にまで昇華できるんですね。モーターは楽器、物理運動はシンフォニー。
source: YouTube via Laughing Squid
(ヤマダユウス型)