Posted August. 13, 2016 07:07,
Updated August. 13, 2016 07:27
北朝鮮が今年に入って公開処刑を大幅に増やすなど恐怖統治を続けていることが分かった。日増しに金正恩(キム・ジョンウン)体制に対する住民の忠誠が弱まり、中国内の北朝鮮レストランの従業員集団脱出のような組織化された民心離れの兆しが現れたため、処罰を大幅に強化したとみえる。
北朝鮮事情に詳しい消息筋は12日、「金正恩労働党委員長が先月末、住民皆が知る幹部を公開処刑し、多くの高官を左遷し、険悪なムードが広がっている」と伝えた。また別の消息筋も「金委員長に目をつけられると死ぬというムードのため、国家安全保衛部や人民保安省など公安機構が実績競争をし、住民だけが被害を受けている」と伝えた。韓国側と電話で話しただけでもスパイとされ、過去には教化刑(懲役刑)だった罪も国家反逆罪を適用して処刑になるという。
別の消息筋は、「北朝鮮当局が今年に入ってこれまで60人以上を処刑した。これは金正恩政権後、年平均の処刑者(約30人)の2倍にのぼる」と伝えた。国家情報院も、「今年、処刑者が大幅に増えた」と明らかにした。今年2月初め、北朝鮮の公安機構は脱北者の家族と送金ブローカー数十人を逮捕してスパイ容疑で処刑し、4月には両江道恵山(ヤンガンド・ヘサン)で住民の脱北を助けたブローカー10人余りを処刑したことが確認された。特に、韓国映画やドラマを視聴したり、麻薬を流通・使用した人も10人以上、公開処刑に遭ったという。
これは、金委員長が今年3月、公安機構に「住民に自由時間を与えれば金儲けの考えと社会不平だけが増え、分派陰謀も増えるため、統制を強化せよ」と指示したことによる。北朝鮮が5月の労働党第7回大会を控え「70日戦闘」を進め、ひきつづき12月末まで「200日戦闘」を行うのも、このような住民の不満を押さえ込むためとみえる。