通常のゼブラフィッシュ(上)と遺伝子改変したゼブラフィッシュ(下)。遺伝子改変した魚は、ひれが小さくなっている(シカゴ大提供) 哺乳類の手や前足の骨は魚のひれにある柔らかい骨から進化したことを米シカゴ大のチームが遺伝子を改変した魚を使った実験で確認し、17日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
これまでも魚や両生類などの化石の調査から、ひれが徐々に陸上生物の四肢に進化したと考えられてきたが、今回の実験で胸びれのどの部分が手になったのか詳しく分かったという。チームの中村哲也研究員は「魚が陸上生物へ進化したメカニズムの解明に向け、大きな一歩だ」としている。
魚のひれには、全体に広がる柔らかい骨と根元の硬い骨がある。チームは、マウスの前足を作るのに重要な役割を果たす遺伝子に着目した。