2016年08月17日

系統別種牡馬辞典 - サンデーサイレンス系その8

「系統別種牡馬辞典」内国産編第五十九弾はサンデーサイレンス系の続き。偉大なサンデーが死亡して6年がたち、ついに内国産馬からリーディングサイアーが誕生しました。アグネスタキオンは次世代を引っ張る存在になるかと思われましたが、リーディングサイアーを獲った翌年に11歳の若さで早世。さらに産駒はなぜかダート寄りの種牡馬成績を残しており、父系の存続は不透明です。マンハッタンカフェはリーディングサイアーになったとはいえ産駒は小粒な印象で(賞金20億円台でリーディングを獲ったのはここ20年ではこの年のみ)、やはり父系の存続はあまり期待できないかもしれません。
<アグネスタキオン> (1位:2008年) ★★★★★

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  アグネスタキオン 1998 4戦4勝
    ・皐月賞(GI)
   ロジック 2003 23戦3勝
    ・NHKマイルC(GI)
   ダイワスカーレット 2004 12戦8勝
    ・有馬記念(GI) ・桜花賞(GI) ・秋華賞(GI) ・エリザベス女王杯(GI)
   リトルアマポーラ 2005 22戦5勝
    ・エリザベス女王杯(GI)

ダービー馬アグネスフライトの全弟で、無敗の皐月賞馬。しかし故障のため皐月賞が最後のレースとなった。当然種牡馬として大いに期待され、有馬記念を制すなど牡馬顔負けの活躍をしたダイワスカーレット、父の雪辱を果たしたダービー馬ディープスカイなど多数の活躍馬を輩出、クモハタ以来半世紀ぶりとなる中央リーディングを獲得している。


<スマートエンブレム> (日本でデビューせず)

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  アグネスタキオン 1998
   スマートエンブレム 2003 10戦4勝
     ・地方で4勝
    Just Pleasant 2011 18戦0勝
     ・香港未勝利

中央未勝利から道営・南関の下級条件で4勝をあげた。母が重賞2勝のディスコホールということもあって種牡馬入りしたが、種牡馬として残した産駒は1頭だけ。しかも同馬はセールで600万円ほどで落札された後香港でデビューしており、日本で産駒が走ることはなかった。なお、Just Pleasant と名付けられた産駒は18戦して勝ち星をあげることはなかったようだ。


<アドマイヤオーラ> (63位:2015年) ★★★☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  アグネスタキオン 1998
   アドマイヤオーラ 2004 16戦4勝
     ・弥生賞(GII) ・京都記念(GII) ・シンザン記念(GIII)
    クロスクリーガー 2012 8戦5勝
     ・兵庫チャンピオンシップ(GII) ・レパードS(GIII)
    ノボバカラ 2012 20戦6勝 ★現役
     ・プロキオンS(GIII) ・かきつばた記念(GIII)

弥生賞など重賞3勝をあげたほかダービーでも3着に入った馬で、半妹にブエナビスタなどがいる超良血馬。種牡馬として初年度からダート重賞2勝のクロスクリーガーを出して注目されたが、父と同じ11歳で急逝。さらにクロスクリーガーも現役で死亡するなど不運が続いている。今後ノボバカラがGIウイナーにまで上り詰めれば父系を繋ぐ可能性もありそうだが…。


<トーセンイマジゲン> (551位:2015年) ★☆☆☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  アグネスタキオン 1998
   トーセンイマジゲン 2004 15戦5勝
     ・中央で5勝
    カリーナアスター 2013 2戦0勝
     ・中央未勝利

デュランダルの半弟にあたる馬で、セールで1億円もの高値で落札されたが、なかなか順調に使うことができず、7歳にしてようやくオープンまで上がったところで引退となった。引退後はエスティファームの牝馬のみと交配され、残した産駒は初年度の2頭のみ。しかもどちらも掲示板すら載ることなくすでに引退している。


<キャプテントゥーレ> (189位:2015年) ★☆☆☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  アグネスタキオン 1998
   キャプテントゥーレ 2005 20戦5勝 現役
     ・皐月賞(GI)
    カシノマスト 2014 2戦1勝 ★現役
     (2着) ・フェニックス賞(OP)

皐月賞で親子制覇を達成したほか、朝日チャレンジCを連覇するなど古馬になっても中距離で存在感を示した。種牡馬としては初年度産駒がまだ3歳で何とも言えないところはあるが、今のところは中央で勝ち上がる馬がチラホラといったところで先行きは明るいとは言えない。九州産ながら一般の新馬戦を圧勝したカシノマストに注目。


<ディープスカイ> (29位:2015年) ★★☆☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  アグネスタキオン 1998
   ディープスカイ 2005 17戦5勝 現役
     ・ダービー(GI) ・NHKマイルC(GI)
    キョウエイギア 2013 11戦4勝 ★現役
     ・ジャパンダートダービー(GI)
    サウンドスカイ 2013 6戦4勝 ★現役
     ・全日本2歳優駿(GI)

初勝利に6戦を要したが、その後はとんとん拍子に出世し、NHKマイルC・ダービーと連勝。古馬との対戦では勝ち星をあげられなかったが、それでも4着以下なしと堅実な成績を残した。ダーレーにて供用され、最大で190頭近い牝馬に種付けするなど大いに注目されたが、ふたを開けてみればスピード不足が露呈し、6年目のシーズンはわずか8頭の牝馬しか集まらなかった。しかし交流GIの勝ち馬を2頭出しているようにダート向け種牡馬として見ればまずまず優秀で、今後再評価される可能性も十分ある。


<トーセンモナーク> (351位:2015年) ★☆☆☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  アグネスタキオン 1998
   トーセンモナーク 2005 11戦6勝 現役
     (3着) ・ブリリアントS(OP)
    ザスターイズミー 2013 3戦0勝
     ・中央未勝利

*アサクサデンエンやスウィフトカレントの下で、9000万円という高値で落札されたが、競走馬としてはオープン止まりであった。後に半弟ヴィクトワールピサが世界を制し種牡馬として注目されるかと思われたが、実際にはそんなことはなく、エスティファーム専属のマイナー種牡馬という地位を抜け出せていない。


<アグネスゴールド> (119位:2008年) ★★☆☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  アグネスゴールド Agnes Gold 1998 7戦4勝
    ・スプリングS(GII) ・きさらぎ賞(GIII)
   バンバンバンク 2005 41戦10勝
    ・兵庫ダービー(園田) ・楠賞(園田)(2回) ・新春賞(園田)

同期のアグネスタキオンとともに無敗でクラシックに駒を進めたが、故障のため春のシーズンを棒に振り、秋以降も勝ち星をあげることができなかった。種牡馬として3シーズンで60頭ほどの産駒を残した後米国に輸出され、その後さらにブラジルに移動。ブラジルオークスことディアナ賞を勝った Energia Fribby など複数のGI馬を送り出すことに成功している。日本では何頭かの地方重賞勝ち馬を出しただけだったので輸出は大成功だったと言える。


<ドリームスプレッド> (340位:2015年) ★☆☆☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  ドリームスプレッド 1998 11戦0勝
    ・中央未勝利
   ドリームチーフ 2011 41戦6勝
    ・地方で6勝

未勝利馬であったが、ゴールドアリュールの全兄ということから種牡馬入りし、生涯で40頭ほどの産駒を残した。特にエスポワールシチーがGIを連勝していたころは年間20頭近い種付けがあったが、自身は弟と違って現役時代ダート戦を苦手としており、結果を残せなかった。


<ボーンキング> (152位:2010年) ★☆☆☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  ボーンキング Born King 1998 17戦2勝
    ・京成杯(GIII)
   キングクリチャン 2009 73戦3勝 ★現役
    ・地方で3勝

ダービー馬フサイチコンコルドの下で、京成杯を制したが、1億4000万円という落札価格に比べれば期待外れの感は否めない。種牡馬としては初年度に60頭以上の牝馬を集めたが、3年目の繁殖シーズン後にフランスに輸出され、さらにその後ベルギーに渡ったようだが、産駒の活躍のうわさは全く聞かない。


<マンハッタンカフェ> (1位:2009年) ★★★★☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  マンハッタンカフェ 1998 12戦6勝
    ・有馬記念(GI) ・菊花賞(GI) ・天皇賞(春)(GI)
   ジョーカプチーノ 2006 23戦6勝 Sire
    ・NHKマイルC(GI)
   レッドディザイア 2006 14戦4勝
    ・秋華賞(GI) ・アルマクトゥームチャレンジR3(UAE-II)
   ヒルノダムール 2007 21戦4勝 Sire
    ・天皇賞(春)(GI)

制した重賞はいずれも2500m以上のGIで、完全にステイヤーとしての資質を備えていたが、種牡馬としては天皇賞馬ヒルノダムールのほか、牝馬クラシックをにぎわせたレッドディザイア、短距離向きのジョーカプチーノ、ダート向きのグレープブランデーなど多種多様な活躍馬を送り出し、リーディングサイアーにも輝いた。ただ超一流馬を出すタイプではなく、父系の存続という意味では一歩劣るかもしれない。


<ミスキャスト> (93位:2012年) ★★★☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  ミスキャスト 1998 24戦5勝 現役
    (2着) ・福島記念(GIII) (4着) ・アメリカJCC(GII) ・京都記念(GII)
   ビートブラック 2007 34戦6勝
    ・天皇賞(春)(GI)

重賞では今一つ足りないタイプの競走馬だったが、母が安田記念GI2勝のノースフライトという血統もあって種牡馬入り。ただしそれほど注目されておらず、初年度の種付けも20頭ほどであったが、そのわずかな産駒から天皇賞馬ビートブラックを出したのだから立派である。ただしビートブラックの次が獲得賞金1000万円のクークーダダで、典型的な一発屋であった。現在は九州で供用されている。


<ミレニアムバイオ> (229位:2009年) ★☆☆☆☆

Halo (USA) 1969
 *サンデーサイレンス Sunday Silence (USA) 1986
  ミレニアムバイオ Millennium Bio 1998 19戦8勝
    ・マイラーズC(GII) ・富士S(GIII) ・北九州記念(GIII)
   アクロスジャパン 2006 74戦8勝
    (3着) ・シアンモア記念(盛岡)

マイラーズCなどマイル前後の重賞を3勝した活躍馬で、4歳時には安田記念でも3着に入った。種牡馬としては当初50頭ほどの牝馬を集めたが、初年度産駒があまり目立たず種付け数が減少したこともあってフランスに輸出され、現在はモロッコにいるようだ。日本でも海外でも産駒はあまり走っていない。

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この記事へのコメント

1. Posted by 即身仏 2016年08月17日 22:10
アグネスタキオンの系統の苦戦ぶりを見るに、ダイワスカーレットが牡馬だったら・・・と思う事が一瞬でもあります。

アグネスタキオンの系統が思ったよりも振るわないのは、系統特有の脚元の弱さとかがあるんでしょうかねぇ?
2. Posted by 名無しさん 2016年08月18日 02:22
牡馬だったらと思うのはウオッカですね
血統的に・・・

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