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【「慰安婦」日韓合意】
慰安婦像は野放し 韓国では“蒸し返し”の動き続く
【ソウル=名村隆寛】韓国の「和解・癒やし財団」に日本政府が拠出する10億円の使途などで、日韓外相が合意に達した。しかし、韓国では合意自体への反対世論は根強く、問題の“蒸し返し”への動きは今も続いている。
韓国国内では、元慰安婦支援団体の「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」や野党、メディアなどが日韓合意の無効を主張し続けている。外務省報道官は11日、「極めて大切で重要な合意だ」とし、反対世論にもかかわらず日韓合意を守り、財団の活動を軌道に乗せる政府の意志を示した。
しかし一方で、日本側では10億円を「未来志向的」な事業に使うよう求める意見があることに対し、報道官は「そんな話は韓日間で交わしたこともなく、事実ではない」と述べた。
また、日本の撤去要求にもかかわらずソウルの日本大使館前の慰安婦像は違法に設置されたままで、反日抗議デモの象徴的な場所であり続けている。韓国政府が日韓合意で慰安婦像の問題を「関連団体との協議などを通して、適切に解決するよう努力する」と確約したのに、野放し状態だ。
一部の元慰安婦は財団の支援を拒否。野党は政権攻撃の材料にし、挺対協やメディアなど反対派は、慰安婦問題はいつでも蒸し返すことが可能だと受け止め、そうした動きが続いている。韓国の国内問題と化した感のある慰安婦問題だが、根本的な解決に向かうかは予断を許さないのが実情といえる。
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