会見で解散を表明し、記念撮影に応じる「SEALDs(シールズ)」の奥田愛基氏(前列左から2人目)ら=16日午前、東京・永田町の衆院第二議員会館(斎藤良雄撮影)【拡大】
また、SEALDsが、若年層を中心とした学生運動を知らない世代に、改めて市民団体など左派活動家の存在と思想や活動などを知らしめた役割も大きいと思う。
1980年代になるとほとんどの大学から学生運動団体が消え、彼らの主張や過去に起こした事件などを知らない学生がすでに多数を占める。左派活動団体、特に過激派などの危険性やリスクを認識しない学生ばかりになっていたわけだ。今回、SEALDsがこれを再認識するきっかけを与えてくれたことは間違いない。そして、これを否定する学生を大量に生み出しただろう。
SEALDsはさまざまな世代と分野で、非常に優秀なリトマス試験紙として機能し、隠れていた多くの問題を炙(あぶ)り出ししてくれた。これはSEALDsなしには成し得なかったことであり、日本にとっても非常に良いことだったと思う。ありがとうSEALDs、さようならSEALDs。
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【プロフィル】渡辺哲也
わたなべ・てつや 経済評論家。日大法卒。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は「突き破る日本経済」など多数。46歳。愛知県出身。