しかし丁氏は中国の輸入相手国の中で最も高い割合を占めるのが韓国(2015年、10.8%)であることや、中国の貿易が韓国から輸入した大量の原材料や中間財を加工し、世界に輸出する構造になっている点を見過ごしている。ある国立シンクタンクの研究員は「韓国がなければ中国も輸出に問題が生じる」と指摘した上で「丁氏が引き合いに出した5.3%という数値も、最近のもの(7%台)とはかなり異なる」と反論した。
丁氏はさらに、THAAD配備を撤回した場合に懸念される韓米同盟崩壊の可能性について「(米国は)圧力を加えてくるだろうが、それによって米軍が撤収するだろうか。そのような脅しを恐れるのは非常に愚かなことだ」「米国のこれまでの政策から考えると、在韓米軍の撤収は単なる恐喝だ」などと主張した。米国との経済摩擦についても丁氏は「米国が経済政策で報復するのであれば、中国との連携を深めれば良い」「(中国との関係さえ維持すれば)われわれが飢え死にする心配はない」などとも述べた。丁氏によると「韓米同盟は単なる手段」であり「共に民主党は国会でフィリバスター(議事妨害)をしてでもTHAAD配備を阻止すべき」ということだ。
丁氏の主張に対して勉強会に出席していた奇東旻(キ・ドンミン)議員は「貿易で韓国が報復された場合の状況について(丁氏は)あまりにも簡単に考えているようだ」「米国か中国かどちらか一方だけを選ぶことはできない」と反論した。これに対して丁氏は、1950-60年代における北朝鮮の故・金日成(キム・イルソン)主席による外交政策を例にあげ「金日成は(中国とソ連から)ずる賢く立ち回ったと言われたが、外交とは本来そういうものだ」と説明した。丁氏は昨年、あるネットメディアに出演した際「孫子の兵法」を引き合いに出し「相手がどのような教育を受けてきたのか知らなければ戦争などできない」とした上で「韓国の学生たちも主体思想について知っておくべきだ」と主張している。