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credit:シン・ゴジラ/東宝

現在絶賛公開中の『シン・ゴジラ』。
台詞が多く日本の複雑な政治事情が絡んでいるため海外の視聴者にはなかなかとっつきにくい所があるようですが、海外の掲示板で『シン・ゴジラ』を見てきたというユーザーがストーリーについて詳しく説明していました。
 
※かなり作品の内容に触れているので注意

引用元:reddit.com

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『(超ネタバレ注意)シン・ゴジラのプロットについての詳細かつテクニカルな説明』

●投稿主
さて、シン・ゴジラのプロットに関する噂や疑問はたくさんあるけど、レビューや説明、議論はどれもハイスピードでかなり技術的な日本語を理解できなかった視聴者によるものなのは確かだ。
だからゴジラの背後にあるものや倒すための計画がどういうものだったのかを含めて詳細やプロットの内容を説明しようと思う。
これは映画を見たけど完全には理解できなかった人やネタバレを気にしない人のための投稿になる。
それ以外の人にとってはかなりのネタバレになるので注意してほしい。

免責事項:自分はこの映画を見て、自分自身他の非日本語ネイティブよりは日本語を使えてると思っているけどそれでもアーロン・ソーキン級の高速会話と技術用語には手を焼いた。
だから自分が掴んだものをより確実にするためにこの映画について議論している日本語のフォーラムも見てきた。
※アーロン・ソーキンは映画『ソーシャル・ネットワーク』や『マネー・ボール』等を手掛けた脚本家

この映画は海上保安庁が東京湾沖に漂っていた小さな船を調査する所から始まる。
 
~以下作品の内容についての説明なので割愛



●comment
これでますますこの映画が見たくなった。
説明ありがとう。
が、混合栄養生物の部分に関しては(ネタバレは)聞きとうなかった…

●comment
ネタバレを読んでこの映画をゴジラ映画としてますます楽観的に捉えられるようになった。
奇妙に感じるけど、80%位自分が聞いてきた東宝ゴジラ映画って感じだ。
自分の想像してたものとは違うかもしれないけど、ラヴクラフト的ゴジラ映画に近いものを見られるというのが嬉しいね。
SF映画としては完全に惹かれてる。
凄そうだ。

●comment
どうやらしっかりした映画っぽいな。
2014年にリバイバルした(ハリウッド版)ゴジラに乗っかったゴジラの名前を使ったアクション満載の怪獣映画じゃなくてちゃんとしたゴジラ映画みたいだ。

●comment
×2014年にリバイバルした(ハリウッド版)ゴジラ
○1954年作以外の全てのゴジラ
これが君にとっての理想的な”真のゴジラ”かもしれないから修正しといた。

●comment
>2014年にリバイバルした(ハリウッド版)ゴジラに乗っかったゴジラの名前を使ったアクション満載の怪獣映画じゃなくてちゃんとしたゴジラ映画みたいだ。
つまり2014年ゴジラは何から何まで理に適った真のゴジラ映画だと言いたいのか
追記:ななめ読みしたせいでちゃんと捉えてなかった。すまぬ

●comment
↑いやいや、彼はこの映画は2014年版ゴジラに乗っかっただけの映画じゃないと言ってるだけだって。

●comment
↑ちょうど気付いた所だ、ありがとう。
ともあれ最近はトライバリズム(同族主義)が流行りだから自分が勘違いしたのもやむなしかも。

●comment
↑ノープロブレム。
実際この映画に怒ってる人はそう言ってる。
これはゴジラのスタンダードじゃない、ゴジラ映画はほとんど出来が悪いのばかりだってね。
庵野や東宝がゴジラを視聴者の度肝を抜くような新たな能力や属性を組み込んだモンスターに仕立てようとしてたとしたら、庵野がこの映画に込めたものがそれだ。

●comment
↑仮に自分がこの映画に対して誤解したままだったとしても、それでも自分はこの映画を気に入ってただろうな。
それにそういう反対意見には乗らなかったと思う。
そういうトライバリズムな行為はなんだかなあと思ってるし。

●comment
↑ほんとそれ。
もっと普通に楽しめないのかと。

●comment
興味深いな。
我々が慣れ親しんだゴジラとは違うものだけど(と、今となっては退屈になってしまった”制御不能のモンスターが現われて地球上の生命が一掃されてしまう!!!!”というプロット)良いものであるなら喜んで(待つのを)我慢できそうだ。

●comment
>今となっては退屈になってしまった”制御不能のモンスターが現われて地球上の生命が一掃されてしまう!!!!”というプロット
それはGINO(ゴジラとは名ばかりのゴジラ映画)の主なポイントでもあるな。

●comment
この投稿に感謝を言いたい。
ゴジラの詳しい内容、奇妙だった部分の助けになってくれた。
作中の90%であろう会議室内でのシーンが魅力的であったらというのが自分にとってのこの映画に対する分水嶺だったから。

●comment
この映画に対する一番素晴らしい概要だと思う。
(自分では見てないけど)
どうやらこれはゴジラ、別名福島原発や地震による津波によって引き起こされた現在の日本の政情に対する風刺になってるっぽいね。
ともあれ、ゴジラは単為生殖だとは言って欲しくないぞ。
なにか別の方法を考えて欲しい。

●投稿主
↑これは風刺ではないと思うな。
政治的に大きな問題に触れているけどかなり現実的だから。
(どちら側のスタンスにも振れ過ぎていない)
これはかなりの日本賛歌映画ではあるけど必要以上に現在の日本政府賛歌映画にはなってない。
明らかに風刺的だった部分は防災服位だ。
ゴジラは常に現実の何かのメタファとして用いられてきたし、レジェンダリー版とシン・ゴジラの主なメタファは福島原発だ。
救助の命令や作中の説明部分に関しては日本の現行の出来事に対して馴染みが無い人にとってはかなり意味不明なものに映るだろう事を指摘したいかな。

●comment
↑風刺(Satire)はちょっと違うか。
社会論評(social commentary)と言うべきだったかも。

●投稿主
↑そっちの方が合ってるかな。

●comment
>ともあれ、ゴジラは単為生殖だとは言って欲しくないぞ。
ミニラの卵は孵ったがゴジラの番(つがい)はいなかった。

●comment
↑それに関しては同じ種の卵ではあるけどゴジラと血縁である必要はないし単にゴジラが育てたんだろうと常々思ってる。

●comment
↑それなら今までに若いゴジラが2回登場した説明にもなるな。

●comment
なんかより一層ヘドラっぽいな。
なんでヘドラの映画を作らなかったんだ?

●comment
↑誰がヘドラの映画を見たがる?
それが理由だ。

●comment
金曜に見に行ってきた。
自分は日本に住んでて日本の企業に10年以上勤めてて日本語も流暢に使える。
>総理がヘリによる攻撃に及び腰だったのは日本の憲法には平和条項があり武器の使用は本当に難しい問題だからだ。
>現実世界では超右派である安倍総理は日本が更に軍事的自立性を持てるように憲法を改正しようとしている
※投稿主による解説
 
自衛隊はゴジラに対して文字通り持てる全てを使ってた(実際作中にそういう台詞がある。持てる全てを使うと)けどゴジラにはかすり傷1つ負わせられなかった。
憲法に関する部分は自分にとっては日本の官僚主義(命令の数珠つなぎを面白おかしく描いてないとしたら)と保守主義(”しかし前例がありません”)を描いてるように見えたな。
最後に自衛隊員達が戦闘では上手く出来なかった、住民の避難を助けるべきだったと言っていたし。
言葉を変えるなら、自衛隊は戦闘で何の成果もあげられず、自衛隊員自身が災害救助を手伝った方が良かったと言っていた。
これはまったく軍国主義な右翼的内容ではないだろ。

>で米軍が支援を提案してきた時に総理が躊躇ってようやく同意した事は現在の日本で議論されているホットな政治問題を思い起こさせる。
>右派の政府とその支援者は日本は米軍に依存しており、もっと(自律的な)軍が必要だと考えている。
※投稿主による解説
 
作中でゴジラに傷を負わせられたのはアメリカの爆撃機だけなんだが?
もしこの映画がアメリカを非難する内容だったらアメリカ軍を無能に描いてたのでは?

それからアメリカ大使が状況について(核の使用)言及して、こんなのはメチャクチャでアメリカでも核攻撃については意見が分かれていると言ったシーンはむしろなんの理由もなく出てきた感じでかなりご都合的にも見えたぞ。
ともかく”うわあああああ、庵野は右翼で安倍シンパだ”という説にはフィットしない。
米国大統領特使であるカヨコも最後の方で総理は核の使用を留まるように大統領と話をしたいと告げていたし。

>最初は無人の電車やドローンを使用
このドローンはアメリカ軍のね。
カヨコはアメリカ軍から個人的に志願して助けに来てくれた人達がいるとも言ってた。
それから新幹線と在来線が手柄のかなりの部分を占めてる訳じゃない。
ゴジラは背面ビームでドローンを打ち落とす事でエネルギーのほとんどを使ってた訳だから。

>カヨコと矢口はゴジラの体内に凍結剤を流し込んでゴジラを内側から凍らせようと画策する
この液体は血液凝固剤。
背びれと血液が冷却システムとして働いてるから血液を停止させることでゴジラはそれに対応するために動きを止めるんだ。

ついでにもう1つ。
>これは風刺ではないと思うな。
>政治的に大きな問題に触れているけどかなり現実的だから。
ちょっと見てみようか。
・総理大臣がゴジラが上陸する事は絶対にあり得ないと言った直後に記者会見室に現われた人物がゴジラがたった今上陸しましたと総理に告げる

・命令の数珠つなぎはこんな感じ「発砲許可願います」「発砲許可を求めています」「発砲許可を求めています」「総理、発砲しますか?」「発砲を許可します」「発砲を許可します」「発砲を許可します」「待て、市民がいるぞ!」「市民がいます!」「市民がいます!」「市民がいます!」「何だと?発砲停止!」「発砲停止!」「発砲停止!」「発砲停止!」

・総理大臣「私は決定したはずだが?」

・総理が決定しようとするたびに「それは難しいかと思われますが」という男性

映画の前半部分(ゴジラが3区を破壊するまで)は風刺だと思う。

●投稿主
↑まず最初に、教えてくれてありがとう。
血液凝固剤の事は完全に失念してた。
(というか日本語で何というのか知らなかった)
2番目に、自分はこの映画がアメリカを非難しているとは一言も言っていないし庵野が安倍の信奉者であるとも言ってない。
彼はむしろその反対かも。
言いたかったのはこの映画が現在日本で熱く議論されている出来事にスポットを当てているという事なんだ。
実際の所、日本の軍に関するこの映画のスタンスは分からない。
描いているのは日本の自衛隊は自力で日本を護るには力が十分でない事と、以下の2点うちどちらかの解釈が出来そうだという事。
a)アメリカ軍賛歌。日本はアメリカ軍を必要としている事
b)日本軍賛歌。日本は米軍依存から脱却して自国を護るためのスキルと技術を開発する必要があるという事

個人的な感想としては映画前半部分も風刺ではないと思うな。
最初の方の記者会見室で総理が青い防災服を着てる描写は明らかに風刺だと思うけど。
でもその後の優柔不断は日本が憲法第9条に敬意を払っていて兵器の使用による市民の死や災禍を何としても防ごうとしてるのを描こうと頑張っているように感じた(自分にとっては)。
もちろんその優柔不断が死を招く事になってしまうんだけど。
もう一度繰り返すけどこの映画は必要以上にどちらかへのスタンスによる事なく重要な政治問題にスポットを当ててると思う。
ともあれ、そちらは10年日本に住んでいるのに対してこちらは4年、しかもここ3年は日本に住んでないから(ラッキーな事にこの映画が公開する時に出張で来られた)自分がこの映画について何から何まで誤解してるというのはあり得るかも。

●comment
読むのには滅茶苦茶苦労したけど、これでこの映画が凄く魅力的になった。

●comment
見るのが待ちきれないな。

●comment
詳しいあらすじをありがとう。
来週また日本に行くから見るつもりだ。

●comment
折り紙はなんだったんだ。

●投稿主
↑自分もそこははっきりしてない。
自分がネットで見た日本のレビュアーもそうだった。

●comment
クソ、滅茶苦茶面白そうじゃないか。

●comment
サンクス。
聞けば聞くほど好きになっていくな。
最初は変更点に関して懐疑的だったけど、どうやら素晴らしい映画みたいだ。
今回のゴジラはエルドリッチの怪物(真に恐ろしい物)を思い出させるな。






台詞が多いのであらかじめざっとした内容を頭に入れておいて実際見る時は映像を追うのに集中するというのもいい方法なのかもしれません。
海外で公開された時は様々な解釈がされるかも。



ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ
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