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【五輪体操】
勝てば豪邸暮らし だが、負ければ強制収容所でゴキブリを食べ… 「(金正恩)指導者に勝利を届けられて…」というメダリストの発言の真意とは?
リオデジャネイロ五輪男子体操種目別の跳馬で、リ・ゼグァン(北朝鮮)が金メダルを獲得した。競技後、リは「勝利と勇気をわれわれの指導者に届けることができ、私は喜びでいっぱいだ」と語り、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を称賛した。他国のメダリストの発言とはひと味もふた味も違う北朝鮮選手の発言からは、21世紀に入っても個人独裁政権が続く北朝鮮の“異常性”が垣間見える。
金メダルについて、「私にとっては何の意味もない。祖国への贈り物だ」と話したリ。「私は祖国から受けた愛のため、この金メダルを勝ち取りたかったんだ」とも強調した。
リは2015年に行われた体操の世界選手権の男子種目別跳馬で優勝している。北朝鮮の国営メディア、朝鮮中央通信によると、2015年11月6日、北朝鮮でその後、リのための宴会が開かれ、政府幹部がこう演説したという。「金メダルを獲得することができたのは、スポーツマンにあらゆる愛と配慮を施す金正恩元帥の指導の結実であると強調した」
同通信は、リの答辞として「国際競技で祖国の気概と栄誉をより高く宣揚していく決意を表明した」と伝える。リオ五輪は、まさにその決意を具現化した舞台となった。