拉致問題は解決済み 北朝鮮の国営メディア

拉致問題は解決済み 北朝鮮の国営メディア
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北朝鮮の国営メディアは「日本が日朝ピョンヤン宣言によって解決した拉致問題に固執している」と主張して、問題は解決済みだとする立場を強調し、国際社会と連携して北朝鮮への圧力を強める日本政府をけん制する狙いがあると見られます。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は12日、日本の植民地支配の解放から今月15日で71年になるのを前に、日本に関する論評を伝え、この中で日本人の拉致問題について言及しました。
論評では、「日本の反動層は日朝ピョンヤン宣言によって解決した拉致問題に固執している」として、拉致問題は解決済みだとする立場を強調しました。そのうえで、日本が「両国関係で拉致問題解決が最重要課題であるという世論を作っている」と主張し、「これを口実にしてアメリカに便乗し、わが国に対する制裁と軍事的挑発に走り回っている」と非難しました。
北朝鮮はことし2月、日本政府による独自の制裁措置の決定に反発し、拉致被害者らの調査の全面的な中止を発表しましたが、その後、拉致問題は解決済みだとするこれまで示していた立場を、国営メディアが伝えたのはこれが初めてです。
北朝鮮としては今回の論評を通じ、核やミサイル開発などをめぐって、国際社会と連携して圧力を強める日本政府をけん制する狙いがあると見られます。