南シナ海問題 比特使が中国側と非公式会談 一定の成果か

南シナ海問題 比特使が中国側と非公式会談 一定の成果か
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南シナ海の問題をめぐって、フィリピンのドゥテルテ大統領の特使は、香港で中国側と非公式に会談し、一定の成果があったことを明らかにしましたが、2国間協議の開始については「大統領が決めることになる」と述べ、調整を続ける考えを示しました。
南シナ海の問題の解決に向けてフィリピンのドゥテルテ大統領が特使に任命したラモス元大統領は、今週、香港を訪れ、滞在最終日の12日、記者会見しました。
ラモス氏は、滞在中、中国の外務次官などを歴任した全国人民代表大会外事委員会の傅瑩主任らと非公式に会談し、信頼関係の構築が必要だという考えで一致するなど、一定の成果があったことを明らかにしました。
一方で、「今後、北京を訪れて中国側と公式に接触するのか」という質問に対して、ラモス氏は「ドゥテルテ大統領が決めることになる」と述べるにとどまり、大統領の判断をあおぎながら調整を続ける考えを示しました。
2国間協議について、フィリピン政府は、南シナ海をめぐる中国の主張を否定した国際的な仲裁裁判の判断を踏まえることを原則とする考えです。
これに対し、中国政府は、判断を前提にした協議には応じない立場ですが、中国外務省の華春瑩報道官は、今週、ラモス氏について「特使の身分での一日も早い訪中を歓迎する」という談話を発表していて、協議に向けた交渉には前向きな姿勢を示しています。