米司法省 ボルティモアの警察が黒人を意図的に差別と指摘

米司法省 ボルティモアの警察が黒人を意図的に差別と指摘
去年、アメリカ東部で黒人の男性が警察に逮捕されたあと、死亡した事件をきっかけに行われた調査で、アメリカ司法省は地元の警察が黒人の住民に対し、意図的な差別を行っていたと指摘する報告書を発表しました。
この事件は去年4月、メリーランド州ボルティモアで不法に刃物を所持していた疑いで逮捕された25歳の黒人男性が警察の車両に乗せられたあと、首に大けがをし死亡したもので、その後、激しい抗議活動に発展しました。
事件をきっかけに調査を行っていたアメリカ司法省は10日、ボルティモアの警察が黒人の住民に対して意図的に差別を行っていたと指摘する報告書を発表しました。
報告書では2010年からの5年間、銃や麻薬など違法なものを隠し持っている確率は白人のほうが50%高いにもかかわらず、警察が路上で身体検査を行うのは黒人のほうが、ほかの人種よりも37%多くなっていることを指摘しているほか、上司が部下に対し、「フードをかぶったすべての黒人を逮捕しろ」
などといった差別的な指示を行うこともあったとしています。
ボルティモア市で会見した司法省の担当者は「警察の行為は憲法や差別を禁じる法律に違反するもので、地域住民の信頼を著しく損なうものだ」と批判し、改善を求めました。
アメリカでは警察官による黒人の射殺事件が相次ぎ、警察と黒人社会の間の緊張が高まっていて、警察改革が大きな課題となっています。