北海道夕張市の異例の廃線提案 JRが受け入れ

北海道夕張市の異例の廃線提案 JRが受け入れ
北海道夕張市が市内を走るJRの赤字路線の廃線を求める異例の提案を行ったのに対して、JR北海道の島田修社長が17日、夕張市を訪れ、提案を受け入れるとともに、今後、都市間バスなどの公共交通の整備に全面的に協力する考えを伝えました。
JR北海道は、鉄道事業の抜本的な見直しに向けて、JR単独では維持できない赤字路線を秋までに公表する方針を示しています。
夕張市は、石勝線のうち市内を走る赤字の区間についても将来の廃線が現実味を帯びるなか、JRの事業見直しに進んで協力する代わりに今後の都市計画への協力を引き出そうと、今月8日、廃線を求める異例の提案を行いました。
これを受けて、17日、JR北海道の島田社長が夕張市を訪れて鈴木直道市長と会談し、市の提案を受け入れて、石勝線の夕張駅と新夕張駅の間を廃線にすることを正式に申し入れました。そのうえで、市が代わりに求めていた駅舎などの有効な活用策の検討や、市内に設ける予定の都市間バスや路線バスの発着拠点の建設計画に人を派遣することなどについて全面的に協力する考えを伝えました。
会談のあと、島田社長は、「夕張市には重い決断をしていただいた。路線ごとに事情は違うが、持続的な公共交通体系の在り方について各地域と相談していくうえで一歩前進することになった」と述べました。
夕張市とJR北海道は今後、廃線の時期など詳細について協議することにしています。