日本から中国への直接投資 減少傾向続く

日本から中国への直接投資 減少傾向続く
日本から中国へのことし1月から先月までの直接投資は、去年の同じ時期に比べて10%余り減少していて、人件費の高騰などを背景に日本企業による中国への投資の落ち込みに歯止めがかからない状況が続いています。
中国商務省によりますと、ことし1月から先月までに日本の企業が中国に工場を作るなどの直接投資をした額は19億1000万ドル(日本円で1920億円余り)で、去年の同じ時期に比べて10.9%減少しました。
これは、人件費の高騰などによって経営コストが上昇し、中国で投資をしても利益が出にくくなっていることや、中国経済の減速懸念が根強いことなどによるものです。
日本から中国への直接投資は2012年をピークに去年まで3年連続で減少してピーク時の半分以下にまで落ち込んでいましたが、ことしも今のところ、企業の間では全般に中国への投資に慎重な姿勢が続いていて、依然、歯止めがかからない状況となっています。
日系企業の団体の関係者は「中国で製造して日本や第三国への輸出を目指す企業の投資意欲が特に弱まっている。一方で、食品や自動車関連といった一部の業種やサービス業では中国の市場拡大を見据えた投資の動きも出ている。件数自体は下げ止まりの兆しもあり、今後の動向を注目している」と話しています。