いまインドで新たなユニコーン企業が誕生した。
「インド版WhatsApp」のメッセンジャーアプリ『Hike』は、8月16日、シリーズDで1億7,500万ドル(約175億円)の資金調達を実施した、と公式Facebookで発表した。
今回のラウンドは、テンセントとFoxconn Technology Groupがリードで、既存投資家のTiger Global、ソフトバンク、Bharti Enterprisesも参加した。
今回の資金調達で、バリュエーション14億ドルとなり、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。資金調達額は累計2億5,000万ドル(約250億円)以上。
また、今年(2016年)はじめに、米国・シリコンバレーのベンチャーキャピタルから資金調達をして、今回のシリーズDの資金調達へつないでいた。前回ラウンドのシリーズCは、2年前の2014年で6,500万ドル(約65億円)の資金調達を実施していた。
『Hike』を運営するのは、インドの現地企業BSB。BSBは、インド最大の通信会社Bharti Airtelを傘下に持つコングリマット企業Bharti Enterprisesと日本のソフトバンクが、2011年に出資比率50%ずつで設立したジョイントベンチャー。
『Hike』は、標準的なテキストチャット以外にも、音声チャット、写真、ニュース、クーポン、ゲームなどを網羅する総合メッセージングアプリ。加えて、最新のアップデートでは、プライバシーを守るためにセキュリティ機能も万全だ。
また『Hike』では、ローカライゼーションを重視し、インド人にとって最適なメッセージングアプリを提供することに注力してきた。現在、7か国語で利用でき、40言語のスタンプを提供している。
『Hike』のユーザー数は、現在1億人以上。うち、90%が15歳〜24歳の若年層で、インドの主要都市よりも地方在住の人が利用している。『Hike』上で交わされるメッセージ数は、毎月400億以上。
今回の資金調達によって、『Hike』は、さらなる事業拡大に向けて、人工知能(AI)、機械学習、AR/VRに積極的に投資していきたい考えだ。
なお、今回の資金調達で、『Hike』は、中国最大のソーシャルメディア『WeChat』を運営するテンセントと長期的なパートナーシップを結んだと言える。これにより、『Hike』は、『WeChat』が中国最大のSNS、『LINE』が日本最大のSNS、『Kakao』が韓国最大のSNSとなったように、インド最大のSNSとしての地位の確立を目指す。