前回、なぜ人は催眠術にかかるのかという記事を書きました。
(前回の記事はこちら⇒脳科学で証明されている催眠術!!人はなぜ催眠にかかるのか)
今回は、催眠状態になるとどのような現象が起きるのかを説明していきます。
催眠現象は、大きく分けて3つの現象に分けられます。
・手が固まる等の運動系の現象
・笑いが止まらない等の感覚系の現象
・自分の名前を思い出せない等の記憶系の現象
です。
これらの現象を、それぞれ、
運動支配
感覚支配
記憶支配
と言います。
これらの 催眠現象の起こり方は、催眠状態の深さによって変化してきます。
浅い催眠状態では、『運動支配』
中程度の深さの催眠状態では、『感覚支配』
深い催眠状態では、『記憶支配』
の現象が起こります。
当たり前ですが、深い催眠状態になればなるほど、より多くの催眠現象が起こせるということになります。
催眠状態を深めるにはどうすればいいか。
初めに断っておきますが、一つの方法で100人を催眠状態にできるテクニックは存在しません。
100人いれば100通りの暗示の方法があると思ってください。
しかし、催眠暗示の基本的な部分は同じなので、基本を覚えてしまえばある程度臨機応変に対応することができます。
また、被験者の素質により、催眠のかかりやすさが全然違います。
同じような性格の人に、同じようなテクニックを使っても、こっちがびっくりするくらいに深い催眠に入る人もいれば、全くかからない人もいます。
その素質を見抜くのも催眠術には必要な技術です。
それでは、どうすれば催眠状態に入りやすい人を見抜けるのか、まず催眠の初期段階である『運動支配』をかけるには何が必要かを説明します。
強くイメージをさせて脳をだます
催眠状態に入りやすい人というのは、こちらが話す言葉(暗示)を上手にイメージできる人です。
イメージが上手にできる人は、催眠がかかりやすい人(素質がある人)になります。
大事なことその1 イメージが上手にできる人を見つける
また、こちらが使う言葉も相手がイメージしやすい言葉を使って誘導していくことが必要になります。
せっかく相手に素質があっても、こちら側の言葉が上手く伝わらなければイメージしにくいですからね。
大事なことその2 相手がイメージしやすい言葉を使う
そのために、催眠をかける前に被験者に対して次の①~③を読み上げて反応を見てください。
① 目の前にレモンがあると想像してください。
そのレモンの色、大きさ、形、つや、表面の凸凹 などがはっきりとイメージできます。
② 次に、そのレモンをナイフで二つに切って、手に取って香りを嗅いでいるとことを想像してください。
ナイフを入れた瞬間の果汁のしぶき、ジューシーなレモンの香りが感じられます。
③ 最後に、そのレモンをかじってみてください。
レモンの果汁があなたの口いっぱいに広がっていきます。
どうでしょう。
あなたもこの文章を読んだだけで唾液がたくさん出てきたのではないでしょうか。
注目すべき点は、①~③のどの文章を読んだ時に一番反応したかということです。
①は視覚、②は嗅覚、③は味覚をメインに書いています。
被験者に対してこの①~③を読み上げて、一番反応が良い(唾液が一番分泌された)感覚を催眠暗示に入れ込むことで、催眠がかかりやすくなります。
①~③のどれも反応が良くなかった場合は、聴覚か触覚のイメージをさせて反応を確認し、一番反応が良かった感覚を入れ込みます。
大事なことその3 相手が最も反応する五感を見極める
例えば、被験者は①に最も反応を示した場合、そこから『運動支配』の催眠現象をかけるには、
手をパーの形にしてください。
その手の平をじーっと見ていると、だんだんと一枚の板になっていくのをイメージしてください。
指の先から手首まで、手の平と同じ大きさ、同じ色の板に見えてきます。
ぶ厚くて絶対に曲がらなそうな固い板です。曲げようと思っても曲がりません。
じーっと見ていると・・・
ほら!もう一枚の板になりました。
もう指が曲がらないです。
このように、視覚に訴えるキーワードを暗示にはめ込むことにより、被験者はこちらの言葉を強くイメージすることができるようになります。
大事なことその4 暗示に相手が一番反応の良い五感のキーワードをはめ込む
その結果、レモンをイメージして唾液が出たときのように、脳がイメージに騙されて、身体が無意識に反応して『運動支配』が起こるのです。
まとめ
催眠術師が催眠をかける時は、
・イメージが上手にできる人を見つける
・相手がイメージしやすい言葉を使う
・相手が最も反応する五感を見極める
・暗示に相手が一番反応の良い五感のキーワードをはめ込む
といったことを重要視しています。
このとおり、特別な技術は必要ありません。
催眠術は、やらせでも何でもなく、脳をどれだけ騙せるかといった、脳科学に裏付けされたテクニックなのです。
(詳しくはこちら⇒脳科学で証明されている催眠術!!人はなぜ催眠にかかるのか)
催眠術は難しいものではなく、何度か練習するだけで簡単にかけれるようになります。
同じ暗示(文章)でも、言葉の抑揚や、声の大きさ、速さ、使うフレーズ、身体動作等によって、催眠のかかり方が全然違います。
催眠術は、本を読んで習得することは非常に難しいと思います。
しかし、催眠術を学べるスクールは数十万円かかったりしますので、まずはレクチャーDVDなどの音声と映像が見れるもので練習してみてください。
あなたの人生、催眠術で劇的に変わります。
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