昨日、懇意にしているお客様より電話がありました。

「昨日、NTTさんから電話があって、今契約しているプロバイダを変更すると安くなると言われて電話に従って作業したんだけど、大丈夫なのかどうか心配になって・・・」

うん、それは大丈夫じゃないですよ。

いきさつを聞く

変更してしまったいきさつを聞くと、3日ほど前にNTTを装って電話があったそうです。

そこで料金などの説明を受けて、契約完了には2~3日かかるため、相手方がまた電話しますという流れになって私に電話があった前日の夜に作業したということです。

お客様はご老人の2人暮らしであり、私には「NTTさんから電話があって・・・」としか言いません。

すっかり騙されてしまっています。

何かおかしいと感じたのは、プロバイダの名前がiSmartという聞いたことのない会社だったから。

それがなければ、すっかりNTTさんだと信じ込んで無駄な契約を続けていたことでしょう。

パソコンの遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘にご注意ください(NTT西日本)

iSmartというプロバイダ

このプロバイダを調べてみると、株式会社フォーバルテレコムという会社が運営しているプロバイダであるとわかりました。

さらにこのプロバイダは、遠隔操作によって接続先を変更させるようです。

上記したNTT西日本のリンクにもあるとおり、考える暇を与えずに設定してしまうという・・・。

しかも、このお客様が設定作業をした時間というのが、夜の9時~10時というのがすごいですね。

誰かに聞きたくても聞けない時間を狙って作業をしているとしか思えません。

このプロバイダ、NEXT BBとかいう謎の契約にも自動的に入るという情報があったりするんですよね。

闘いの幕開け

要するに、すっかり作業が終わってから私に投げられた状態です。

ちなみにお客様は錯乱状態。

何が本当かわからないような状態で、とりあえず元の状態に戻したいという希望でした。

国民生活センターにも電話で聞いたらしいのですが、プロバイダ契約はクーリングオフ対象外ということで、専門家に対処してもらった方が・・・という返事をもらったらしいです。

その時点で私にお呼びがかかっていたため「来てもらうことになっています」という返答で終わったらしいのですが。

というわけで、さっそく電話をしてみましょう。

電話番号(フリーダイアル)と担当者の名前を聞いて、いざ闘いの幕開けです。

電話をかけると「○○○サポートセンターです」という女性の声が・・・○○○の部分はさっぱり聞き取れなかったのですが、iSmartやフォーバルテレコムという名前ではありませんでした。

担当者を呼び出してもらおうと思いましたが、折り返し担当者から電話しますとの返答で切られました。

折り返しの電話にて

15分ぐらい経ったころに担当から電話がありました。

さて、ここからは私が覚えている限り正確に会話を記載していきたいと思います。会話の間に私の心情を()で書いておきます。

私「電話代わりました。さっそくですが、本題に入りたいと思います。お客様はNTTさんから電話があり、契約をしたとおっしゃってますが、NTTではありませんよね?」

担当「はい。NTTではありません。」

(うわ、すんなり認めたよ)

私「お客様はNTTさんから電話が来たと今でもおっしゃっていますが、NTTではないのですね?iSmartさんかフォーバルテレコムさんでしょうか?まあどちらでもいいのですが、率直に言います。解約・・・いえ、契約をキャンセルしてください。」

担当「はい。解約ですね。ですと、違約金が・・・」

私「いえ、解約ではなくキャンセルです。なかったことにしてくださいと言っています。あなたがた、ほぼ詐欺会社ですよね?インターネットの契約をよくわからない人のところに夜に電話をかけてきて、NTTを装って契約させるという会社さんじゃないんですか?」

担当「それはどういうことでしょうか?私どもに何か問題がありましたでしょうか?」

(うわ、急にやさしい・・・というか、完全クレーム対応モードの声になったな)

私「そもそもNTTさんではないのですよね。お客様はNTTさんだと思っています。それはどういうことですか?」

担当「きちんと説明をしているはずなのですが。」

私「説明していないからお客様は勘違いしているままなのではないですか?」

担当「お客様には説明をし、ご理解いただいた上で契約をしているのですが。」

私「まあいいです。それは言った言わないの話になりますので、答えなんか出ないでしょう。それで、こちらの要望としては、全てを元に戻してほしいということです。」

担当「それはどういうことでしょうか?」

私「さっきから言っている通り、キャンセル。契約自体をなかったことにしてくださいと言っているのです。ちなみに、こちら側はあなたがリモートで設定をおこなった内容をすべて消去し、元の設定にすでに変更済みです。」

担当「そうですか。ですが、契約は・・・」

私「お客様はNTTさんと電話して契約をしたと思っていますが、実際は異なる会社と契約させられている。あなたは説明をしたと言っていますが、今聞いても「NTTさんから電話があって・・・」と言っています。それって契約の前に完全なあなたの説明不足ですよね?お客様が理解されていないのですから。ですから破棄ですと言っているのです。」

担当「・・・・・上司と相談してきます。」

(上司と相談ということは、ほぼ決着ついたなぁ)

担当「キャンセルを受け付けました。」

(20秒程度で上司に相談してキャンセル受付って、早すぎないか??)

担当「契約に関する書類はすでに発送してしまいましたので、届きましたら破棄してください。」

闘い終えて

正直、お客様はよくわからない会社と契約するのは嫌なので、違約金を払ってでもやめたいと言っていました。

ネットで調べると、人によって違いますが、25,000~35,000円の違約金の請求が来るそうです。

契約が完了している、設定も終わっている、プロバイダ契約はクーリングオフ対象外という点では勝ち目は薄かったのです。

そこで争点を変えることにしました。

”NTTのサポートを名乗って電話をしてくる”という点です。

お客様との実際のやり取りは聞いてないのでわからないのです。本当に会社の説明をしていたのかもしれません。

ただ一点”お客様が理解した上での契約をしていない”という力押しです。

ちなみにこれは、契約した本人や家族では意味がありません。相手の方が専門家であるため、逆に押し切られます。

パソコンに関する知識と、ある程度法律を知っている人、あとは強い口調で押せる人でなければいけません。

たまたま私は上手くいき、違約金も払わなくて済みました。

全ての人が同じやり方で上手くいくとは思えないので、参考程度でお願いしますね(#^.^#)

ちなみにNTTは勧誘電話は一切してきません。してくるのは、全てプロバイダだったり代理店です。

このお客様が幸運だったのは、プロバイダ契約のみだった事ですね。

光プレミアムという古い契約だったため、コラボレーションの勧誘はあきらめたのでしょう。コラボレーション光に変えられてしまったら、簡単には解約できないところでした。

追記(2016年5月30日)

2016年5月21日に法改正がおこなわれ、現在はクーリングオフ類似制度が施行されています。

これにより、期間内であれば違約金などなく解約がおこなえるようになりました。