マネーフォワードの中の人を知ってもらうため、当社でフルタイムのRubyコミッターを務める卜部昌平が、マネーフォワードのエンジニアにインタビューをするこの企画。
第三回目となる今回は、技術部のエンジニアである山口知輝さんへのインタビューです。
社員ですら初めて聞くような、マネーフォワードに関わる人のストーリーをお届けします。
▼第一回はこちら
マネーフォワードエンジニアインタビュー vol.1 谷口徹
▼第二回はこちら
マネーフォワードエンジニアインタビュー vol.2 鈴木信太郎
日時
2016年 8月 4日 (木曜日)
語り手
山口知輝(エンジニア)@tyamagu2
- 2014年11月
マネーフォワードに入社。現在は技術部に所属し、API開発やデータ活用の推進を行っている。
聞き手
卜部昌平(Ruby開発者)@shyouhei
ガヤ
- 越川直人(エンジニア) @ppworks
- 青木香菜子(広報)
- 小川昌之(人事・写真担当)
- 平野紗希(書き起こし・編集担当)
山口知輝インタビュー
ポケモンを探しながら、ちょっと遠いコンビニへ
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卜部
第三回目となる今回は、2014年11月入社のエンジニア 山口知輝さんにお話をお伺いします。山口さん、よろしくお願いします。 -
山口
よろしくお願いします。 -
卜部
まずアイスブレイクに、山口さんの趣味からお聞きしたいと思います。
最近ハマっていることはありますか。 -
山口
Pokémon GOをやっています。現在レベル20ぐらいです。 -
卜部
いつの間に(笑) -
山口
リリースされた週末の夜に歩きまわったり、コーヒーを買いにちょっとオフィスから遠いセブンイレブンに行ったりして…(笑) -
卜部
そういえば山口さんは前職がゲームの会社ですよね。
前回のエンジニアインタビューでは鈴木さんがゲームについて熱く語ってくれましたが、山口さんも結構ゲームはするんですか。 -
山口
もともとゲームはあまりしないですね(笑)今回は流行っていたからやってみたという感じです。普段はhuluで海外ドラマを見ています。
フレンズは全シリーズ観ましたし、24-TWENTY FOUR-もシーズン5ぐらいまで観ました。あとホワイトハウスというドラマも面白かったです。 -
卜部
ゲームをあまりしないというのは意外ですね。海外ドラマの魅力は何でしょうか。 -
山口
短いながらにストーリーが作りこまれているところですね。映画だと2時間ぐらい集中し続けないといけませんが、ドラマでしたら40分ぐらいですので、その気軽さが好きですね。
趣味で友人とPythonを使ってオセロのAIを実装
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山口
あとは、休日に趣味でプログラミングもしています。 -
卜部
おっ!趣味でプログラミングをしているエンジニアはインタビュー初です(笑)
具体的にどのようなことをしているのでしょうか。 -
山口
少し前に、Coursera(コーセラ)というオンライン学習のサービスを使いながら、スタンフォード大学が提供している機械学習のコースを受講しました。今は、友人とPythonでオセロのAIを実装して、コンピュータ同士で戦わせていました。そのときは初歩的なミニマックス探索法を使ったり、強化学習を取り入れたりしていました。
ただ、強化学習で作ったものがなかなか勝てなくて、「もっと学習させなきゃね」と言っているうちに飽きてやめてしまいました(笑) -
卜部
趣味のプログラミングはどのような分野が対象なのでしょうか。 -
山口
分野は色々ですね。ちょっとしたWebサービスを作ったり、競技プログラミングの基本的なアルゴリズムを勉強したりしています。
先週末はクイックソートのアルゴリズムをC言語とGoで久しぶりに書きました。また、最近は業務でPythonを使うようになったので、本を読みながら、Pythonを使ったデプロイの方法を学びました。
他にも、ボルダリングやバスケ、フットサルなどのスポーツも趣味でよくやっています。
-
卜部
この辺のスポーツは全部、マネーフォワードに部活がありますね。 -
山口
そうですね。マネーフォワードのメンバーともよくやっています。
ところで、このインタビューってこんな感じでいいんでしたっけ。
僕まだ趣味の話しかしていないのですが…
もっとなんかこう、自己紹介とか… -
越川
アイスブレイクに花が咲きすぎましたね(笑)
仲の良い友人にC言語を教えてもらったことをきっかけに、コンピュータサイエンスに興味を持つ
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卜部
さて、改めて山口さんの自己紹介から始めましょうか。 -
山口
僕は九州の佐賀県出身で、大学進学とともに上京しました。大学ではコンピュータサイエンスを専攻していました。卒業後、京都にあるゲーム会社に新卒で入り、6年間ソフトウェアエンジニアとして働いていました。2014年11月にマネーフォワードへ入社し、技術部に所属しています。現在30歳です。
佐賀県出身というのは自分ではわりと珍しいと思っていたのですが、社内に4〜5人はいますね。
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卜部
大学ではコンピュータサイエンスを専攻していたとのことですが、山口さんがコンピュータサイエンスに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。 -
山口
大学入試後の17歳ぐらいの頃でした。僕は、私立の大学志望だったので入試が比較的早い時期に終わりました。ちょうど仲の良い友人2人も同じ状況で、よく3人で遊んでいました。その友人がC言語をやっていて、家に遊びに行くたびに、彼にプログラミングを教えてもらったのがきっかけでした。当時はパソコンも上手く使いこなせなかったのですが、まずはVisual Studioいれて勉強していきました。
卒業後も継続的にプログラミングを教えてもらっているうちに、どんどんハマってしまい、大学の専攻はもともと化学だったのですが、コンピュータサイエンスに変更することに決めました。僕の大学は専攻を自由に変えることができたんです。
大学在学中は、イリノイ大学に交換留学し、コンピュータサイエンスを学んだこともあります。当時、日本で通っていた大学にはしっかりしたコンピュータサイエンスのカリキュラムがなかったのですが、僕の留学先は、Mosaicというブラウザが作られたという歴史もある、世界的にもコンピュータサイエンスで有名な大学でした。
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越川
コンピュータサイエンスに興味を持ったのは、学生時代の経験がきっかけだったのですね。 -
卜部
なぜ最初は化学を専攻していたのですか。 -
山口
有機化学に興味があったんです。高校で勉強する有機化学は、水素2個と酸素1個で水ができる、といった風にパズルを解く感覚があって面白くて。
でも、大学で学ぶ化学は、実験ばかりでつまらなくなってしまいました。ラボに何時間もいるのが辛くなったというのもありますが(笑) -
卜部
プログラミングを始めるきっかけとなったご友人は、現在何をされているのですか。 -
山口
3人ともエンジニアです。
一人は農学部で博士号を取得した後、農業系のソフトウェアエンジニアとして働いていて、一番最初にC言語を教えてくれたもう一人の友人はシリコンバレーで高給取りの(笑)エンジニアをしています。僕の年収の3〜5倍はもらっているっぽいです。 -
卜部
シリコンバレーでは、ほとんど住宅費に消えると思うのですが… -
山口
そうかもしれません。
最近も彼らと連絡を取っていて、冒頭でお話したオセロのAIも一緒に作りました。
「第三者の可能性を広げることのできるプラットフォームを作りたい」という想いでキャリア選びをしてきた
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卜部
新卒で京都にあるゲーム会社に入り、6年間ソフトウェアエンジニアとして働いていた後、なぜ転職に至ったのでしょうか。 -
山口
僕はもともと英語を話すことができたので、海外の支社とやり取りをしてプロジェクトを進める機会が年々増え、自分自身でコードを書かない仕事が多くなりました。それはそれで面白かったのですが、改めてコードを書く仕事がしたいなと思っていました。また、6年間住んだ京都をそろそろ出たくなり転職活動を始めました。 -
卜部
色々な会社を検討する中で、マネーフォワードを選んだ理由は何だったのでしょうか。 -
山口
paizaを通じて、マネーフォワードから一番最初にオファーが来たのがきっかけです。
もともとマネーフォワードのことは知っていて、気になっていたのでブックマークしていました。あとは、前職ではゲームの会社にいましたが、実はゲーム自体はそこまで好きではなく、ゲームの”プラットフォームを作る”ということに興味がありました。
マネーフォワードも、お金の”プラットフォームを作る”ことを目指しているところにピンときて入社を決めました。“自分たちが作ったサービスを、自分たちだけで完結させるのではなくて、他の会社が活用して商売をする”そういった新たな可能性を広げることのできるプラットフォームを作りたかったんです。
また、僕はもともと、何かぐちゃぐちゃしたものをすっきりさせるのが好きで、非効率的なものをなくすことのできるような仕事がしたいと思っていました。
マネーフォワードだったらそんな自分の理想とする仕事ができると感じました。あとは、スタートアップにしてはおっさん率が高いことが居心地よく感じたのも入社理由の一つです(笑)
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青木
確かに、マネーフォワードは”大人ベンチャー”ってよく言われますもんね。 -
山口
これは余談なのですが、選考の際、浅野さん(マネーフォワードCTO)とスカイプ面接をしたのですが、面接中に接続が5回ぐらい切れてしまいました。
その度に僕が「すみません。すみません。」と謝っていたのですが、これは絶対僕のネットワーク環境が悪いのではなくて、マネーフォワード側の問題だと思いました。他の会社との面接では一度も切れたことはなかったので… -
越川
当時は社内のネットも遅かったですね(苦笑)
プロダクト開発に張り付かないエンジニアチームでAPI開発に携わる
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卜部
山口さんは技術部で、普段どのような仕事をされているのでしょうか。社内の人でも技術部が何をやっているのか知らない人も多いのではないかと思います。 -
山口
僕が所属している技術部は、人によってやっていることが違うので一言では説明しにくいのですが、プロダクトを開発に張り付いていないエンジニアチームといえるのではないでしょうか。
現在マネーフォワードにはクラウド会計ソフトや自動家計簿といった5〜6個のサービスそれぞれにRuby on Railsのアプリケーションがあります。また、それぞれのRailsアプリケーションがデータベース経由でJavaで作られたアカウントアグリゲーション(金融機関から入出金の履歴を取ってくること)のシステムと連携しています。
その際、JavaとRailsのロジックが、うまく共通化できておらずサービス自体の仕様を変えるときに結構苦労していました。
そこで現在僕は、Railsアプリケーションから直接データベースを参照せずにアカウントアグリゲーションのデータを操作できるよう内部向けのAPIを作る仕事をしています。
機械学習のみやればいいというわけではないが、今すでにある億単位のデータを活かして何か始めないといけないタイミング
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山口
他にも、MFクラウド会計のシステムの自動仕訳の精度を上げるために、ユーザーが過去に入力したデータと機械学習を用いて、未分類やミスを減らしていけるようなルールをつくっています。 -
卜部
先ほど「趣味でもプログラミングを勉強している」とおっしゃっていましたが、機械学習も自分の興味の方向と一致しているのでしょうか。 -
山口
興味はありますが、機械学習自体をそこまで重要視しているわけではありません。会社としても今すでにあるデータを活かして何か始めないといけないタイミングだと考えています。
今後、会社に蓄積されたデータを上手く活かして、サービスにも還元できるように下地を作っています。データサイエンティストが動きやすいような土台といってもいいかもしれません。
ちなみに、今取り組んでいる自動仕訳のリニューアルは、もうすぐ本番に出せるような段階まできています。 -
卜部
じゃあこのインタビュー後にサービスがリニューアルされたら、一気に自動仕訳の精度が増すかもしれないのですね。 -
山口
そうですね。もともと長くマネーフォワードを使ってくださっている方は、今までの過去の入力から作られたルールベースで仕訳をしているので精度はあまり変わらないかもしれませんが、明日から新しく始める人は勘定科目と税区分の推測の精度が大きく変わると思います。
降ってくるのを待つより、自分から取りに行くという姿勢で仕事をしていきたい
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卜部
山口さんは、これからどんな仕事をやっていきたいですか。 -
山口
「降ってくるのを待つより、自分から取りに行く」という姿勢で仕事をしていきたいと考えています。先ほどのAPIの話も元々はアグリゲーションチームの人がやるという話がでていたのですが、僕自身Railsばかり書いているのも飽きてきたので、JavaでAPIを作りたいと、自分から手を挙げて始めた仕事です。
今回のAPI開発の仕事のように、やっておいたほうがいいと思うことに対して、自分から首を突っ込んでいきたいと思います。マネーフォワードには億単位で入出金のデータがあるので、複雑な仕訳を推測できるようにするなど、発展の余地があるのではないかと思っています。
また家計簿ユーザーのお金の使い方から、示唆を導いていきたいです。
出入金などのデータは、暗号化されているので社内でもみんなが触れることができるわけではありませんが、APIを作って機械学習をした結果、精度がどれだけ上がったかというのを視覚的に把握していけるような仕組みをつくっていきたいです。
全体のアーキテクチャがわかる”パパ的存在”を探してー
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卜部
山口さんはマネーフォワードでどんな人と一緒に働きたいですか。 -
山口
マネーフォワードではかっちり決まった仕事が上から降ってくるわけではないので、最終的なゴールを自分でイメージしながら、考えたり、聞きに行ったりできる人と一緒に働きたいと思っています。特にBtoBのサービスは仕様も複雑ですので、根性がある人が来てくれるといいと思っています。
それ以外のところですと、サービスの規模が大きくなってきたので、”全体のアーキテクチャがわかるパパ的存在”がほしいですね。 -
越川
むしろ、山口さんにぜひ全体のアーキテクチャのわかるパパになってほしいです。 -
山口
頑張ります。
マネーフォワードを中心とした他のサービスが生まれることが理想なので、第三者が整備されたAPIを使えるよう、僕は基盤の部分で活躍していけるようになりたいと思っています。
ゲームからFintech企業への転職で変わったこと
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青木
マネーフォワード内には、山口さんのように前職が金融系ではない方はたくさんいますよね。先ほど仕訳や勘定科目のお話がありましたが、抵抗はなかったですか。 -
山口
抵抗はありませんでした。仕訳、勘定科目といった会計については今まで触れてこなかったものなので、最初はある程度勉強しましたが、完璧にわかっているわけではありません。あくまでも、データ構造としてどういうものかを理解しています。
社内には、会計の専門的な知識をもったエンジニアもいるので、うまく役割分担をしています。 -
卜部
ゲーム会社からマネーフォワードに転職してみて、会社の雰囲気はどのように変化しましたか。 -
山口
前の会社は昼休みにゲームをしている人がたくさんいました。あと、デスクの上にフィギュアがたくさん並んでました(笑)
とは言え、いわゆる大企業でしたので、始業時間やお昼の時間はきっちりしてました。一方でマネーフォワードは大企業のように堅苦しくはないけど、ウェーイというノリは少なく比較的落ち着いています。そこが良いところだと思っています。
「神の視点」でUXを考えると、ログインした瞬間に会計が終わっているのでそもそも入力がいらない
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青木
山口さんは社内でもコードレビューが丁寧と評判ですよね。山口の仕事に対する考え方をぜひお聞かせください。例えば以前、社員総会で山口さんがお話していた「神の視点」とか。 -
山口
先日、社員総会で「あなたの考える理想のUXとは」という話をする機会があり、”神の視点”について話しました。この話はCODING HORRORというブログのThe God Loginという記事に基づいています。ブログの著者が、「最後の授業」という動画で有名な教授の授業を受けた時に、「神の視点でアルゴリズムを考えよ」と教わったそうなんです。
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卜部
「神の視点で考える」というのはどのようなことなのでしょうか。 -
山口
例えば、ログインを設計するとき私たちだったら、「どうすればユーザーはより便利にログインができるか」ということを考えると思うのですが、神様だったら人が来た瞬間、何者か知っているのでそもそもログインする必要がないですよね。
「全知全能の神がサービスを作るならどういうものになっているか、常に考えながらサービスを作りなさい」という話です。会計の場合、「ユーザーが簡単に素早く入力できる」というのは便利だし技術的にはすごくいいのですが、それを神の視点で考えてみると、「入出金のデータが来た時点で、もうすでにどんな仕訳になるかわかってて、だからそもそも入力なんていらない」そういったサービスになると思うんです。
僕がマネーフォワードで追求したいのは、入出金データをもとに、自動仕訳をし、ログインした瞬間に会計の作業が終わってしまうようなUXです。
また、自動家計簿の方だと、家計簿をつけて現状を把握するだけではなくて、把握することでお金にまつわる不安が取り除かれるようなサービスにしていきたいです。
具体的には、家計簿を使ってお金が節約できるだけではなくて、(極端な話ですが)勝手に100万円入ってくるといった、何もしなくてもお金が増えてしまうようなサービスを生み出したいなと思いながら仕事をしています。
マネーフォワードは今後より一層”大人ベンチャー感”が増していくだろう
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卜部
最後に、2014年11月の入社時と比べてマネーフォワードの雰囲気はどのように変わりましたか。 -
山口
入社時は社員が50人前後で、プロダクトの数も少なかったので、社内で誰が何をやっているか大体把握できていました。辻さん(マネーフォワードCEO)と話す機会も多かったです。今は誰が何をやっているのか、すべて正確に把握出来ませんが、人が増えることによって自分がやるべきことにより集中できるようになりました。おかげさまでサービスの基盤作りの部分に携わることができています。
色んな所から色んな人が入ってきて、パートナーも増えている今の状況はとてもよいと思っています。
この会社の規模に対してこんなにラインナップ増やしていいのか、と思うときはたまにありますが(笑)会社もだんだん整ってきて、今後より一層”大人のベンチャー感”が増すのではないでしょうか。
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卜部
本日は、ありがとうございました。 -
山口
ありがとうございました。
最後に
今回のインタービューを読んで、マネーフォワードに興味を持たれた方は是非、以下のボタンをクリックして頂ければと思います。








