耳を澄ますと、たくさんの雑音が聴こえてくる。
それは、あの頃のような、放熱ファンの回転音でも、HDDの咀嚼音でもなく、たとえるなら、廉価なイヤホンの、ホワイトノイズのように僕の内耳に響いてくる。
僕の命運は、株式会社はてなが、その尊い自治権を二束三文で、市場に売り払ったときに、終わっていたのかも知れない。
おかげで、僕の魂はグローバリゼーションの暴風にさらされ、風前の灯になった。裸の叫びは18禁の掟に断罪され、キャンプファイヤーを楽しんだ砂浜は、地中深く打ち込まれた、鋼鉄の杭と、KEEPOUTのイエローリボンから締め出された。
そして僕は夢を見た。
伝説のウォークマンが、はてな社屋の屋上から投げ捨てられ、固いアスファルトに激突して、粉々に砕け散った夢を。
ちなみに、その代償として手にした金は、深くくわえこんだ求人広告を、さらに誤クリックしやすくしただけだった。
だから僕は誓った。
この逆境を跳ね返して、祭りでも、炎上でも、釣りでもない、まったく新しいオピニオンコンテンツを創ろうと。テキストサイトの屍の上、その伝統芸能を踏襲して、まったく新しい文化を創造してみせると。
それが「ブロゲキ魂(BLOGEK!DAMSEA)」なんだ。
まなめはうすが評価してくれない
まなめはうすが僕に見切りをつけて、どれくらいの月日が流れただろう。TBNは僕の姿勢(オフェンス)を評価してくれたのに、まなめはうすはしてくれない。まるで僕なんか、存在しないかのように。
何が、まなめはうすを変えてしまったんだろう。Amazonがもたらす巨万の富か、最高のお嫁さんなのか。おそらく後者に違いない。
リアルの充実に溺れた、まなめはうすは、原住民の過去を綺麗にロンダリングして、僕たちを見捨ててしまったんだよ。
無邪気にはしゃいでいた、まなめはうす。無垢な笑顔を見せてくれた、まなめはうす。僕はいつも、まなめはうすの忠実な読者であり続けるよ。
祭りでも、炎上でも、釣りでもない。新しいオピニオンコンテンツ。僕は、テキストサイトの伝統芸能を受け継ぎ、そして、海老蔵のように新しいテキストを作る。
それが「ブロゲキ魂(BLOGEK!DAMSEA)」なんだ。