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今いくら貯蓄すべきか一発で分かる「人生設計の基本公式」

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
2016年8月17日
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【人生設計の基本公式】

【変数の定義】

s:貯蓄率(現役時代に可処分所得の中から貯蓄に回す比率)

x:「現役の生活費」に対する「老後の生活費」の比率

Y:可処分所得(手取り年収、円。今後の現役時代の概ね平均を想定して下さい)

a:現役期間(年数)

b:老後期間(年数。なるべく余裕を持って設定して下さい)

P:老後の定期収入(年額、円。主に年金を想定。Pensionの「P」)

A:現在の資産額(円)

 この式は、「今後の現役生活の生活費」に対する「老後の生活費」の比率(x)を決めた時に、手取り収入(年収Y)に対してどのような比率(s)で貯蓄する必要があるかを求めるものだ。「必要貯蓄率」の計算式だと言ってもいい。

 例えば、現在45歳で手取り年収600万円の会社員がいるとしよう。彼は65歳まで20年間働くつもりでおり、老後として95歳まで30年間を想定している。年収はおそらく今後しばらくは少々増えて、将来は減るだろうが、「今後の現役時の平均として」現在並みを想定している。年金額として見込まれるのが年間180万円で、現在貯蓄を1200万円持っているとしよう。

 さて、ここで彼が「老後は、概ね現役時代の7割程度の生活費で暮らしたい」と思ったとしよう。彼は、今後の現役時代に、収入のうちどれだけを貯蓄して老後に備えるといいのか。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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