中国政府は外国のファンドマネジャーに本土株購入の機会を与えると同時に、本土市民のオフショア投資を可能にする第2のルートを明らかにした。制限の緩和も打ち出し、当局が国内資本市場の開放に一段と前向きになっている姿勢を浮き彫りにした。

  香港と深圳の証券取引所はトレーディングの相互取り次ぎを開始し、この取り次ぎ総額に上限は設けない。すでに始まっていた香港と上海の両取引所の相互取り次ぎでは総額の上限を撤廃する。ただ、2つの相互接続とも1日当たりの買い越し・売り越し額に制限が付く。香港取引所の発表によると、深圳との相互取り次ぎは約4カ月以内に始まる予定。

  香港と深圳の相互接続は1年以上も前から予想されつつ、実現が遅れていた。今回の実施は資本市場の国際化を図る中国の取り組みの一部。MSCIは今年6月、同社が提供する世界的な株価指数への中国人民元建てA株の組み入れを見送ると決定したが、その理由の一つとして外国人投資家が本土株を取引する上で複数の障害があることを挙げていた。

  交銀国際の中国担当チーフストラテジスト洪灝氏(香港在勤)は、相互取り次ぎの総額撤廃が「中国の資本勘定のいっそうの開放」を示すもので、「中国から資本が流出している現状を踏まえれば、この時期に実施が決まったのは意外」だと述べた。

  香港と上海の相互取次制度が始まって以来、外国人投資家は総枠3000億元(約4兆5450億円)の約半分に当たる上海株を購入。香港株に対する本土トレーダーの投資意欲はもっと強く、2500億元の総枠は2割足らずしか残っていない。

  香港と深圳の相互接続は16日、李克強首相が相互接続について国務院の承認を得たと発表した。

原題:China’s Second Stock Link Sees Beijing Loosen Market Grip (2)(抜粋)