リオ五輪 輝きを放つ日本選手団
リオデジャネイロ五輪で日本選手団が輝きを放っている。第11日を終わって金7、銀4、銅16の計27個のメダルを獲得した。金メダル数は早くも前回ロンドン大会に並び、総メダル数では米国、中国、英国、ロシアに次いで5位につけている。
大会は後半戦に入り、間もなく始まるレスリング女子では吉田沙保里、伊調馨両選手が4連覇に挑む。バドミントン女子も有望で、メダルの上積みに期待がかかる。
柔道は男女14階級で五輪史上最多となる12個(金3、銀1、銅8)のメダルを獲得した。
国際化に伴いメダルが各国に分散する傾向にある中、男子は7選手全員が表彰台に立った。前回ロンドン大会では初めて金メダルゼロに終わっていた。再建を託された井上康生監督は選手たちの声に耳を傾け、所属先との情報交換の場を設けた。競技終了後、涙を流しながら選手たちをたたえる姿は印象的だった。
女子は5階級でメダルを獲得した。3年前、暴力指導問題が発覚して体制を一新した。南條充寿監督は「自立と自律」を求める指導で選手たちのやる気を引き出した。
五輪の舞台で「日本柔道、ここにあり」を世界に示した選手たちに改めて拍手を送りたい。
今回も少数精鋭で臨んだ競泳は7個(金2、銀2、銅3)のメダルで全日程を終えた。
ロンドン大会で金メダルはゼロだっただけに平井伯昌コーチは「大躍進した」と総括した。メダルを逃した高校1年生の池江璃花子選手らは4年後の東京大会に向け、リオでの経験を生かしてほしい。
体操男子は団体で中国などを退けて3大会ぶりの金メダルを獲得し、個人総合ではエースの内村航平選手が44年ぶりの2連覇を果たした。
卓球は男子シングルスの水谷隼選手が日本選手として初のメダルを獲得した。団体戦は男女ともベスト4に進み、男子は金メダルをかけて中国と対戦する。見逃せない一戦だ。
カヌーでは羽根田卓也選手がこの競技では日本初のメダルとなる銅メダルを手にして存在感を示した。
メダルには届かなかったが、新たな歴史を刻んだ競技もある。リオ大会で初めて正式競技に採用された7人制ラグビーで男子はベスト4に入った。1次リーグで強豪ニュージーランド、準々決勝でフランスを降した。昨年、15人制のワールドカップで優勝候補の南アフリカを破ったのに匹敵する快挙だった。
リオとの時差は12時間。昼夜逆転のため決勝の多くは日本時間の未明から朝にかけて行われる。いつもより少しだけ早く起きて、世界に挑む日本選手たちの戦いを見守ろう。