ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファインCEOがサマー・インターンを集めたタウンホール・ミーティングで語っている動画がUPされています。以下抄訳:

世の中、「自分は、やる気がある(motivated)!」というだけで、他人より有利だ。

正直言って、自分は移り気だった。今でもときどき(自分は、大学を卒業できなかったのではないか?)という夢を見る。それで引出しから卒業証書を出してみて「ホッ」とするということをやっている。

自分はロー・スクールに行ったけど、ロー・スクールで教えることは「死んだ学門」だ。それでウォール街へ転職しようと思ったけど、普通の投資銀行はどこも雇ってくれない。だからJアーロン(注:ゴールドマンが買収した商品先物業者)に面接に行った。つまり周到なプランなんて無かったんだ。

最近の若者は、挑戦する前から自分の夢をマーク・ツー・マーケット(注:時価に合わせて査定を下げる事)してしまう。

投資銀行において「原料」となるのは人材なので、いちどそれを取り込んだら磨きをかけないといけない。師匠が良ければ、弟子も成長する、そしてその弟子が次の世代の師匠になる……つまり好循環だ。ゴールドマンでは、採用にじっくり時間をかけることもやっているけど、それ以上に、一度取り込んだ人材を鍛える事に注力している。

思い詰めるな(chill out)。ゴルフだろうが野球のバッティングだろうが、握りが固すぎると、ボールは遠くに飛ばない。

経済学とかマーケットに関する本より歴史書の方がためになる。

偉人の伝記を読むと、成功するまでに何回も失敗しているとかの苦労がわかる。こんな偉人ですら、失敗ばかりしていたのだなということがわかると、自分が失敗続きでも嘆かなくて良いことに気付く。

ところで経済学とかで今後の予想とかしているわけだけど、あればみんな過去に起こったことの延長線上に物事が運んでいくと決めつけていることに他ならない。

マーケットが下がり始めると、みんなマーケットがもっと下がると慄くし、マーケットが高いと、もっともっとと強欲になる。テレビのビジネス番組を見ると、そういうことばかり喋っている。そんなとき、歴史書を紐解けば(世界というのは、もっとシクリカルだ)ということに気がつく。自分が「発見した!」と思ったことを、2000年前にどこかの賢者がすでに明快に説明している。(なんだ、これって、新しくないのか)ということを発見して、がっかりするわけだ。