2016年08月16日

◆ PCデポ詐欺と家賃保証詐欺

akuma.jpg パソコン販売のPCデポの詐欺商法が話題になっている。
 一方、家賃保証詐欺というのも話題になっている。

 ──

 本項では、二つの話題を扱う。
  ・ PCデポの詐欺商法
  ・ 家賃保証詐欺
 この二つはどちらも、無知な高齢者をだまして、暴利をふんだくる、という詐欺商法。「オレオレ詐欺」と同様の発想のものだが、一応まともな商売の体裁を取っている点が共通する。


 PCデポの詐欺商法


 PCデポの詐欺商法とは、「高額の不要なサービスを、無料だと偽って契約させた上で、高額の解約料を取る」という商法。
 話の発端は、下記。
  → http://togetter.com/li/1012230

 twitter の元ネタは、下記。
  → https://twitter.com/kenzysince1972
  → http://twilog.org/kenzysince1972/date-160815/asc

 詳しい調査は、下記。
  → PCデポは詐欺会社という評判・証言

 会社側の公式謝罪は、下記。
  → お騒がせし申し訳ございません(PCデポ)

 情報は、上記リンク先に詳しく記してあるので、そちらを読めば十分だ。
 なお、株価は、8月10日には一時 1600円だったのに、今では 1231円まで下がっている。一週間もしないで、暴落だ。
  → (株)ピーシーデポコーポレーション【7618】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス
 
 これがわかっているなら、私も株を売っておきたかったが、下手をすると「風評の流布」で逮捕されかねないので、売らないでおいてよかったかな。  (^^);


 家賃保証詐欺


 家賃保証詐欺は、ちょっと前に話題になっていたもの。よく似た話題なので、ついでに取り上げる。
 まずは記事の引用。
 《 「家賃保証」アパート経営、減額リスクの説明義務化 》
  「全室を一括で借り上げる」「家賃は保証する」と業者から誘われ、借金までしてアパートを建てたものの、数年後に家賃を減額された――。そんな苦情が相次いでいることから、国土交通省は「将来は家賃が減る可能性がある」との説明を賃貸住宅管理業者に義務づける制度改正を決めた。
 土地の所有者が建てたアパートなどを業者が一括で借り上げ、入居者に貸し出す「サブリース」と呼ばれる契約が対象。入居者集めや管理は業者が行い、空室に関係なく毎月一定の家賃を支払う。不動産取引では通常、業者に様々なリスクの説明を法律で義務づけているが、サブリースはその対象にならない。個人の大家も不動産事業者で、対等な業者間の取引とみなされるため、消費者並みの保護の仕組みはなかった。
( → 朝日新聞 2016-08-11
 《 アパート経営「30年保証」、破られた口約束 》
 大家の女性(66)は14年前、大手賃貸住宅管理会社の営業マンに勧誘された。「30年間の一括借り上げ保証です」と繰り返しアピールされたが、「家賃は下がる」との説明はなかった。女性は「家賃は30年変わらない」と思い込んだ。相続税対策も兼ね、銀行から1億円を借り入れ、2棟を建てた。
 当初の家賃収入は毎月約126万円。しかし、8年が過ぎた頃から「周辺物件の家賃より高い」などと値下げを2回求められ、今は約106万円。契約書を見直すと、「状況に応じて家賃変更を協議する」といった趣旨の記載があった。女性は「あまりにも知識不足で、業者の言うがままに従ってしまった。更に減額されるとローンが返せず、アパートを手放さざるを得ない」と嘆く。
( → 朝日新聞 2016-08-11

 ここまでだと、「高齢者の注意不足」というふうにも思える。「契約書をよく読まない方が悪い」と思いがちだ。しかし、この記事には続きがある。
 契約の際は大家を本社に招き、役員らと一緒に食事をするなど最大限の歓待をした。「いわゆる催眠商法のようだった」とも。
 大家が「本当に家賃は下がらないのか」と尋ねても、「下げるわけない」「信頼関係です」と言い張った。10年目以降は2年ごとに家賃を協議する契約になっているが、「大家には10年目までまったく説明しなかった」と振り返る。
 別の賃貸住宅管理会社の元社員は「アパート建築の時点で利益は回収できた」と語る。1億円のアパート建設を同社が自ら請け負うことで40%の4千万円が利益になると証言。大手ゼネコン関係者は「利益は10%が業界の常識。40%なんてあり得ない」と驚く。

 要するに、契約書には「下がることもあります」と書いてあるが、口約束(口の説明)では嘘をつく。「下げるわけない」「信頼関係です」というふうに。
 こうやって嘘をついて、高齢者をだましたおかげで、何と 40%という暴利を取る。

 ここまで見ると、「無料ですというふうに嘘をついたあとで、契約書では高額の契約を結ばせる」という点で、PCデポとそっくりだ。口ではうまいことを言って、契約書ではひどい契約を結ばせる。
 まさしく、詐欺商法ですね。

 ──

 まあ、こんな感じ。

 (1) 悪魔がうまいことを言って、契約書にサインしろという。

akumano.jpg

 (2) 「なるほど。望みが叶うのか」と思って、あなたはサインする。

akumano1.jpg

 (3) そのあと、悪魔が右上に置いた白い紙を剥がす。すると、白い紙の下に隠れていた文字が現れる。

akumano2.jpg

 こうしてあなたはいつのまにか、悪魔との間で、不利な契約を結ばされる。
 消費者庁に訴えると、「契約書にこう書いてあるので仕方ありません」と言う。あなたがいくら「口頭ではそんなことを聞いていないぞ」と言っても、無駄である。
 かくて悪魔は、人をだまして、まんまと奪い取る。人の大切なものを。


akuma.jpg




 [ 付記1 ]
 上記記事によれば、消費者庁は
  “「将来は家賃が減る可能性がある」との説明を賃貸住宅管理業者に義務づける ”
 とのことだが、こんなことでは、対策になるまい。「説明しました」と嘘をつけば、それでおしまいだ。また、仮に説明したとしても、滅茶苦茶に早口で大量の言葉を言ったなかで紛れ込ませれれば、老人には理解できない。

 では、どうする? そもそも、「家賃保証」という商売がおかしい。こんなことは、長期的に保証できるはずがないのだから、こういう商売そのものを否定するべきだ。
 「保証します」と言っても、保証できないのだから、そういう「保証します」という形で先に大金を取る商法を否定するべきだ。

 [ 付記2 ]
 こういう詳報が駄目であることは、前に「有料老人ホーム詐欺」という件でも述べた。
 有料老人ホームは、2000万円以上の金を取って終身介護を約束するが、実際は5年で追い出す。大金を得て、ボロ儲け。これは詐欺だ。

 ──

 有料老人ホームは、2000万円以上の金を取って終身介護を約束する。例はいくらでも見つかる。
 ところが、終身を約束しても、実際には5年で追い出すことが多いそうだ。

 けがや病気をきっかけに、『償却切れ老人』を、『医療が必要になったのでうちではもうお世話できる力がない』などと体よく追い出す施設が増えている。

 あまりにも儲かるので、参入者が続々出ているという。老人ホームが市場に出れば、「買いたい」という企業がわんさと殺到する。
( → 介護詐欺(有料老人ホーム)

 というわけで、「一時金払いのあとで長期保証」という商法は、もともと詐欺になりやすいのである。「一時金をもらったあとで、長期保証はやめてしまう」という形で。
 だから、老人ホームであれ、家賃保証であれ、「一時金払いのあとで長期保証」という商法はすべて禁止するべきだ。かわりに、「消費者は、自分で貯金を管理して、あとは1年ごとにサービスを購入する」という形にすればいい。これなら、最悪でも、被害は1年間で済む。(できれば毎月払いの方がいい。)
 家賃にしても、「長期保証」など、できるわけがないのだから、最初から禁止するべきだ。「説明すれば許可」なんていう甘い方針ではなく、「一切禁止」とするべきだ。(個人向けについては。)
 そのあとは、普通に、大家と不動産業者が委託契約を結べばいい。それで済む。
 換言すれば、「長期保証」というのは、もともとがすべては詐欺商法なのである。ゆえに、一切を禁止するべきだ。

 [ 付記3 ]
 そもそも、普通の不動産業ならば、自分で建てて、自分で経営して、日常管理は不動産屋に委託する。
 なのに、その一切を業者に任せる方がいいとしたら、もともと自分では経営できないような人が、本来は経営不可能な土地に建物を建設することになる。
 具体的に言えば、都心で建設するのではなく、都心から電車で1時間以上もかかるような不便な場所に建物を建設する。……こうして、そのあとは、「借り手がいない」という悲惨な情強となる。
 こういうふうに、すべてはもともと不可能な業務を「詐欺」という形で実施しているだけだ。
 だから、このような詐欺産業は、すべて禁止するのが妥当なのだ。禁止したからといって、誰も困らない。困るのは詐欺業者だけだ。



 [ 余談1 ]
 ついでだが、五輪詐欺というのもある。
 《 東京五輪詐欺に注意 消費者庁 》
 消費者庁は2日、「オリンピック財団」などと名乗る者が、高齢者宅などに電話し、「あなたの名義で東京五輪のチケットが申し込まれている」とうそを言い、個人情報の削除を名目に金銭をだまし取る手口が広まっていると注意を呼びかけた。全国の消費生活センターなどには昨年8月から今年6月までに34件の相談が寄せられており、消費者庁は警察の情報から青森、山形、宮崎で3件、計約3500万円の被害を確認した。
( → :朝日新聞デジタル

 まったく、次から次へと、詐欺師が湧く。
 
 [ 余談2 ]
 さらに別の事例が見つかった。いわゆる「リフォーム詐欺」を軽くしたもので、「悪質リフォーム」という。リフォーム詐欺は、工事を何もしないが、悪質リフォームは、ごく低劣な工事だけをやる。違法性がわかりにくい。
 しかし、結果は逮捕・有罪となった。
 社会的な問題としてクローズアップされたのは2000年頃からで、訪問販売外壁リフォーム業の新興産業が強引な契約手法で世間を騒がせると同時に、建築工事全般にその範囲も及ぶようになり、その後サムニングループの摘発など現在に至っている。
 2008年8月15日には、不要なリフォーム工事を行い、高齢者らから工事代金を騙し取ったとして、住宅リフォーム会社『幸輝』の社長ら幹部に対し、京都地裁が、「高齢者の知識不足につけ込んだ悪質な事件」として、懲役4年6月などの刑などを言い渡している。
( → 悪質リフォーム - Wikipedia

posted by 管理人 at 17:18| Comment(2) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 余談2 ] を加筆しました。「悪質リフォーム」の話。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2016年08月16日 23:26
屋根の上や空き地ののソーラーパネルで売電できますよ。も同類ですね。
Posted by 京都の人 at 2016年08月16日 23:27
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