終戦の日:明仁天皇は今年も反省、安倍首相は4年連続で謝罪なし

総務相ら靖国参拝相次ぐ

 15日昼12時、東京都千代田区の日本武道館。明仁天皇、安倍晋三首相、戦没者遺族、一般人代表ら約6000人が太平洋戦争死亡者のため1分間黙とうした。この追悼式は安倍政権が昨年、安保関連法を施行して以降、初めて行われる戦没者追悼式だった。明仁天皇が8日に生前退位の意向を国民に向けて発表した後、初めて国民の前に立った場でもあった。

 明仁天皇は昨年に続き今年も「過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願う」と述べた。日本が軍国主義を追求し、戦争に向かって進んでいった責任を認めたのだ。

 一方、安倍首相は「歴史と謙虚に向き合い、万人が心豊かに暮らせる世の中の実現に全力を尽くす」と言っただけで、日本が戦争加害国であることを認める発言はなかった。歴代の首相たちは代々、「日本はアジア諸国に大きな苦痛を与えた」と述べてきたが、安倍首相は第2次政権になって4年間、一度もこの言葉を口にしていない。

 同じ時刻、武道館から徒歩5分ほどの距離にある靖国神社は、日本の右翼団体や一般の参拝客で混雑していた。最も近い地下鉄九段下駅の出口から神社入口に至る50メートルの道は市場のように人が多く、境内にも参拝客が70メートル以上続いた。気温31℃を上回る暑さの中、ゲートルまで付けて旧日本軍兵士の服装をまねた人もいた。

 靖国神社の前では「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などの極右団体メンバーがパンフレットを配っていた。メンバーらは「憲法改憲に賛同する人を1000万人に拡大し、賛同者たちがそれぞれの周囲の人を2人ずつさらに説得すれば、改憲に成功できる」という目標を掲げ、1000万人署名運動を行っている。

 安倍首相は同日、靖国神社には行かず、側近を通じて玉ぐし料を奉納した。首相官邸は「『自民党総裁・安倍晋三』名で奉納したが、公金ではなく安倍首相の私費で負担した」と明らかにした。安倍首相は戦没者追悼式前に千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝した。ここは戦争中に息絶えたが名前が分からず遺族のもとに返ることのできなかった戦没者の遺骨が安置されている場所だ。A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社とは違い、政治的な色合いが少ない所とされる。

 安倍首相は靖國神社参拝を見送ったが、高市早苗総務相、丸川珠代五輪担当相、萩生田光一官房副長官らが相次いでこの日に参拝した。今村雅弘復興相と山本有二農相も事前に参拝を終えた。内閣の中でも代表的な極右派で、毎年8月15日に靖国神社を参拝してきた稲田朋美防衛相は13日、海外派遣自衛隊を激励するとして3泊4日の日程でアフリカ・ジブチ視察に出発しており、日本の各メディアは「批判を避けるためではないか」と報道した。菅義偉官房長官は「閣僚個人の参拝は宗教の自由の問題」と主張した。

東京=金秀恵(キム・スへ)特派員 , 崔仁準(チェ・インジュン)特派員
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