家庭用電力料金の体系が、極端な「累進性」になっているのだ。

 韓国の家庭用電力料金は、使用量が100kWhまでの場合、1kWhあたりの電力料金は60.7ウォン(1円=10ウォン)だ。これが以下のような6段階でどんどん上昇する。

0~100kWh        60.7ウォン
101k~200kWh    125.9ウォン
201k~300kWh    187.9ウォン
301k~400kWh    280.6ウォン
410k~500kWh    417.7ウォン
501kWh~        709.5ウォン

 1kWhあたりの料金が最大11.7倍近くにまで跳ね上がる仕組みなのだ。

恐怖の累進性電力料金

 「毎日経済新聞」は、ソウル中心部のアパートで1人で暮らす例を紹介している。テレビや冷蔵庫、電子レンジなどを使って月に342kWh程度の使用量だった場合、税金などを除く電量料金は1か月5万3000ウォンだった。

 しかし、エアコンを1日4時間使うと14万5000ウォン、8時間使うと32万1000ウォンに跳ね上がってしまう。

 「朝鮮日報」も、1か月の電力料金が3万7450ウォンだった場合、1日にエアコンを12時間使うと23万6342ウォンと7倍になると報じている。

 問題は、こういうことが現実にあり得ることだ。

 何しろ、韓国の連日の熱帯夜だ。会社員が、午後8時に家に帰って、翌日出勤するまでエアコンを使えば、12時間になってしまう。