「韓国政府、『小泉式構造改革モデル』が必要だ」

「韓国政府、『小泉式構造改革モデル』が必要だ」

2016年08月16日09時23分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「国民の声援を下地にした強力なリーダーシップが必要な時点だ」。

  韓国貿易協会の経済通商諮問役であるキム・ジョンス博士が構造改革という難題を抱える朴槿恵(パク・クネ)政権に向け投げかけた助言だ。高度成長期を過ぎ低成長局面に入った韓国、成長の推進力は消耗し対外環境は索漠としている。労働と産業構造、社会制度全般に革新が必要な時点だ。しかし人気迎合に神経を使う政界と骨惜しみに汲々とした政府、社会的責任を失った企業、慣性に染まった労組のため構造改革は一歩も進めずにいる。

  キム博士は構造改革のためにさまざまな利害関係を調整するのに先立ち、政治指導者が共同の目標を提示して説得する過程が先だと説明する。彼は改革の3大条件として指導者の意志と国民の支持、改革のための社会的制度を挙げた。キム博士は最近出版した『改革の権力はどこから出るのか』という本で1000ページ余りにわたりこうした内容を取り上げた。

  彼は2000年代初めに強力な改革政策を推進した小泉純一郎元日本首相を参考モデルに挙げた。キム博士は「小泉氏が首相就任後最初にしたことは、強固な官僚組織から手術台に上げ国民に改革の真正性を知らせたこと。改革の動力を確保したおかげで官邸主導型の改革を断行できた」と説明した。

  1990年代の郵政大臣と厚生大臣など要職を歴任した小泉氏は2001年に第87代首相に就任した。彼は1990年代半ばに内閣を率いた橋本龍太郎元首相の改革基調を踏み台として国政運営の主導権を政治・官僚から首相に持ってきた。

  まず肥大した政府組織を減らした。派閥・野合を常とする自民党主流政治家らとの差別化も試みた。党の主流は批判的発言と改革を主張する彼を「変わり者」「変人」とさげすんだ。だが小泉氏は「新しい日本」「失われた10年を取り戻そう」というメッセージで有権者を説得した。日本国民は熱狂した。

  その後小泉氏は内閣府傘下経済財政諮問会議を構造改革の指令塔とした。諮問会議は政策研究から調整と企画立案まで強大な権限を振りかざした。諮問会議は不良債権整理と政府予算削減、郵政民営化、道路公団など公企業改革、地方財政改革など大型の改革課題を推進した。特に委員会も大阪学派を中心にした大学教授と民間委員だけで構成した。構造改革論者だった竹中平蔵慶応大学教授を経済財政政策担当相に起用した。官僚出身者は徹底的に排除した。既存体制を守ろうとする官僚集団の性格が改革を妨げかねないと判断し、省庁間の調整業務だけを任せた

  キム博士は「小泉内閣は官僚主義を打破し非効率を除去するなど上から改革を推進した。改革の疎通対象は反対勢力ではなく国民であり、政治リーダーは国民と会い、訴え、疎通し、交感する努力が必要だ」と話した。高成長をした経済が低成長に転じれば、性別、世代、地位などあらゆる利害関係により対立は大きくなるものだ。彼は「社会の混乱が大きくなれば構造改革はタイミングを失いかねない。反発に屈したり縮こまったりしてもならない」とした。

  キム博士は「包括的構造改革を成し遂げるためには正しい市場規則(ルール)と競争を通じた民間市場活性化、税率引き下げ、商品・労働を超えた参入障壁の撤廃が必要だ」と助言した。
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