子供の思い、オトナの思い、思惑
高校野球の選手越境はさながら「フルーツバスケット」
こないだガイさんの記事で読んでちょっとびっくりだった甲子園の越境入学。
そりゃね、小さい頃から「夢は野球で甲子園に出ること」っていう子は3年間親元を離れてでも甲子園に出たいし、甲子園で活躍することでスカウトの目に止まりドラフトからプロ野球に入る子だって少なくない。まさに「夢をかなえる舞台」です。
でも甲子園っていうのは県の予選を勝ち抜いた県代表だから、甲子園から「優勝旗を持って帰って欲しい」ってやっぱり思ってしまうし実際優勝したら祝賀パレードだ学校の予算追加だといろいろ盛り上がる部分ってありますよね。
これは高校野球ではなくサッカーの話だけど、以前ウチの近所の高校が全国高校サッカー選手権大会で優勝したわけです「君は美しい~」の正月やってるやつ。優勝したとたんに学校に予算がついたのかオール人工芝でフェンスでしっかり区切られた上に「無断撮影お断り」みたいな。いろんな思惑がちょっと見えました。
さて、実際どのくらいの高校が越境入学してるかを載せているページがあって、ベンチ入りメンバー(18人)のうち何人が越境入学の選手かを載せてるわけ。
- 越境0人 秋田、新潟、兵庫、富山、鳥取、島根、佐賀、長崎、大分、沖縄
- 1~5人 栃木、群馬、愛知、徳島、南北海道、西東京、三重、和歌山、広島、鹿児島、大阪、石川、大阪、奈良
- 6~9人 千葉、福井、北北海道、東東京、宮城、埼玉、神奈川、長野、静岡、愛媛、福岡、茨木
- 10人以上 山形、福島、山梨、滋賀、山口、宮崎、岩手、京都、岡山、岐阜、香川、青森、高知、熊本
【第98回甲子園】西日本の2校はベンチ入り全員が「野球留学生」 | 日刊SPA!
この中にはいろんな思いがあって、
- 地元が弱いから強豪校がある県の高校で強くなりたい
- 地元が強すぎて自分には出場できるチャンスが小さいから他県の学校で…
- 地元が都市部で自分の学校が出れるかどうかがわからない
- 地元が地方で弱すぎて野球部自体が存続があやしい
子供なりの事情とかオトナなりの思惑とかあるんですよね。だからこの問題は一概に「越境なんてダメだ」とか「金で選手集めた学校がうんぬん」で片付けるのもちょっと難しい。甲子園に行けるか行けないか、ベンチに入れるか入れないかも全部ひっくるめてもチームで頑張るスポーツに入って集団で行動したり目的に向かってみんなで努力したり、悩んだり励ましたりというのは一生の財産にはなるからね。
日本人の好きな「さわやかイレブン」タイプ
1974年、徳島県のたった11人しか部員のいないチームが甲子園に出てきてあれよあれよの快進撃、最後は報徳学園に負けたもののはつらつとしてプレーで「さわやかイレブン」と呼ばれ大人気になった。蔦監督率いる徳島県立池田高校です。
もちろんそれは偶然ではなく、名将蔦監督が徹底した筋力アップや強打で敵を圧倒するようなスタイルが当時斬新で地力がもちろんあってのことだったんだけど。
- たった11人の選手が
- 徳島県の山間部の小さな村から
- はつらつとしたプレーを見せて
- 快進撃で決勝戦まで上り詰めた
こういうの日本人大好きだもんね。判官びいきというかつい応援したくなってしまう。そういえばラグビー界でもそんな高校があったわ。
そう、山下真司さんが先生役で大ヒットした「スクールウォーズ」
この物語は、ある学園の荒廃に戦いを挑んだ熱血教師達の記録である。高校ラグビー界においてまったく無名の弱体チームが荒廃の中から健全な精神を培いわずか数年で全国優勝をなし遂げた奇跡を通じて、その原動力となった信頼と愛を余すところなくドラマ化したものである。
もうね、このナレーションを読むだけでおじさんは目が潤みますよ。
十分に脚色した部分はあるけど。松村雄基役は完全に創作キャラらしいし。でもイソップは実在して、在学中に亡くなったそうですね。
そういう感情のこもってしまうストーリーとかってやっぱり大好きじゃないですか。
貧乏な農村出身の3人が自ら志願して爆弾を背負って爆死しながらも突破口を開いた話を美談とし、「爆弾三勇士」と軍神扱い、歌だ舞台だ専門グッズだと大騒ぎで国家掲揚させたのも日本でしたね。これは二度とやってはいけないことだけど。
だからこそ、あの記事のガイさんが言っているのはよくわかるんです。
私の被害妄想なのかもしれませんが、今回の9回裏の甲子園の一体感は、越境入学でヒール役となった八戸学院光星を負かしてやろうという気持ちも裏に含まれていたような気がして仕方ありませんでした。 まぁ、人はドラマを求めますし、通常逆境の状況を応援したくなるのが心情ですからそれほど特殊なことではないのかもしれませんが、とにかく選手が気の毒になるほど全体が東邦一色でしたので。
【甲子園】光星9-10x東邦 久々に越境入学の是非について考えさせられた試合 - イケメン息子とぐうたら猫の成長見守りブログ
スポーツ帰化問題
オリンピックの卓球を見ていると、ドイツ選手といいながら中国選手だったりして調べてみると「元中国籍」。
- 中国では卓球が強く、中国にいる限りは無名で終わってしまう
- ドイツなど他国に移り住み3年活躍する
- オリンピックにはその他国の選手として出場できる
これを利用してドイツチームとして出場しているんですね。最新の世界ランキングを見てもお名前がいかにも中国の方が他国の選手として紹介されていますが。
これを外交問題とごちゃまぜにして「他国侵略」とか言ってる人はちょっとさすがに違うと思うけど、これでメダルをドイツに持って行かれたりするとうーんと思ったり。
でも・・・猫ひろしだってカンボジア行ってるやん。活躍著しいラグビーだって外国選手が帰化して日の丸を背負って活躍してる。自分の国が強くなるのは目をつむるけど、他国がなんかやってると「ずるい」と思ってしまうまさに島国根性。
もし自分が中国で卓球選手だとする。いくら頑張ってもうまい人に勝てず中国代表にはなれない、するとヨーロッパのある国から「ウチの代表として卓球を盛り上げてくれないか、将来はコーチとしてうんぬん」と打診されたら・・・僕なら喜んで行きますね。
さて、次の冬のオリンピック。とんでもない帰化をやってる国があるということなんですが…これ以上はもう触れない。子どもや選手の思い、大人や国家の思い思惑というのはすれ違うことが多いですよね(ゴニョゴニョ)
でもガンバレ!
でもね、元中国籍の選手も他県から来ている高校球児も猫ひろしもみんな「スポーツ種目の中では平等」に戦っていんですから。他県から、他国から来たからって絶対に五輪に出れるものでなく、甲子園にだってフリーパスで来ているわけじゃない。送り出した親御さんの声援とか支援し続けた学校や国とかいろんなものを背負って頑張ってるんですよ。
「紅もガンバレ!白もガンバレ!」のように「頑張ってる人」はみんな応援して欲しいですね!
「がんばった人にはNCAA。がんばれなかったひとにもNCAA」
(また古いの持ってきた感)
あのスポーツドリンクのNCAA、いつの間にかなくなったなと思ったらゲータレードと統合されてたんですね知りませんでした(ゲータレード自体もちょっとあの)
こういうのを書き出すと止まらないのでとりあえず以上です(^_-)