2006年5月、ファイナルファンタジーⅩⅢヴェルサスとして発表され、
ディレクター、タイトル名、プラットフォーム、姿形を変えてきて10年。
日本が誇るRPG超大作。ファイナルファンタジーXVがとうとう発売されます。
いや発売されるはずだった。あと1か月半で。
まさかの直前で発売日延期。
ゲーム業界で発売延期なんて決して珍しくないのだけれども、これだけ待たせて、これだけ直前に、これだけの大作が発売延期になるということがどれだけ大事件なのか。
発売日まで明記して直前で延期という大型(ミリオン級)タイトルは過去に
大乱闘スマッシュブラザーズX(発売2週間前に1週間発売延期)
ドラゴンクエストⅨ(発売1か月半前に3か月半延期)
といったものがありましたね。
もっと詳しい情報はこちらに。
今回は発売日延期にともなう影響というものを考えてみましょう。
ハードの普及、PS4同梱版は?
これだけの大型タイトルですから、発売されることでハードのさらなる普及が見込まれます。
PS4は普及しているといえども国内ではまだまだ。
一番売り上げを記録しているPS4タイトルの「メタルギアソリッドⅤ」ですら50万本程度。
PS4,PS3クロスプラットフォーム発売のソフトが多いというのもあるため、今回のFF15はPS4専売(Xbox One版もありますが国内では割愛)ということもあり、PS4普及の起爆剤と期待されていたはず。現在は発表されていませんが、もしかしたら同梱版の可能性だって捨てられないわけです。
特に9月30日から11月29日の間にはPS4の大型タイトルが多く出ます。
FF15のためにPS4を購入し、せっかくだから他のPS4ソフトも買おうと考えていたユーザー分のチャンスロスです。
10月25日発売の人喰いの大鷲トリコなんてFF15の発売延期のせいで売り上げ減るのではないでしょうか。
他にもバトルフィールド1、タイタンフォール2、コールオブデューティーインフィニット・ウォーフェアといった大作も影響を受けるかもしれません。
もちろん発売日がかぶるグラビティデイズ2、ウォッチドッグス2あたりはもろに影響を受けます。
ペルソナ5が一人勝ちの9月
一方でFF15の発売延期により喜ぶソフトは9月15日発売のペルソナ5。
同じRPGというジャンルのFF15の発売日が遅れることでどちらを買うか悩んでいたユーザーはペルソナ5に流れます。
元々9月は
9月15日ペルソナ5、9月22日ベルセルク無双、9月30日FF15とまさに戦争状態でした。いや発売日が一番遅いFF15が圧勝だろうくらいに思われていました。
ところがベルセルク無双もFF15も発売延期。完全にペルソナ5の一人勝ちとなりました。ペルソナ5も当初は2014年発売とか言って延期したタイトルだったんですけどね。最後にきっちり発売日を守ったのが(まだ確定はしていませんが)勝利につながったのかなと思っています。
スクエニタイトルでの喰い合い
そしてスクエニタイトルでの喰い合いが始まります。
もしかしたら変更が起きるかもしれませんが、12月にはキングダムハーツHD2.8が控えていました。FFとユーザー層が被りがち。12月FF15をプレイしているユーザーはKDH2.8を遊ぶのでしょうか?当初より売り上げは減るかもしれませんね。
逆に10月27日発売のワールドオブファイナルファンタジーは売り上げ伸びるのかなとか思っています。
FF15を待ちかねたユーザーが中継ぎでこいつを不本意にも買う。なんとなくこんな展開が見えます。
FF15の売り上げ自体は?
一番重要なポイントかもしれませんが意外とここは変わらないか、あるいは上がるかもしれません。
結局FFシリーズの人気は高いですし、どんなタイトルと発売日が近くなっても優先順位はおそらくFF15の方が上。つまりは売り上げは落ちないんです。たぶん。
むしろ年末商戦と被ったり、あるいはPS4の普及率なども相まって売り上げが増える可能性もあるんです。
かかるコストは?
具体的には分かりませんが、相当なものだと思います。
例えばポスター。9月30日発売って書いてあるものは回収、もしくは発売日の部分を貼り替えといったことが行われます。これが全国のFF15を扱っている店で行われるのですから。
海外のゲームショップで配られたとされている指示書の画像
また家電量販店でゲームを予約した方なら経験あるかもしれませんが、発売日が変更となると予約者一人一人に電話が行きます。これのコストとかも大変なことでしょう。
ただでさえ10年以上の開発コストがかかっているというのにここでさらなるコスト増。利益は残せないけど評価だけ残したみたいな作品になるかもしれません。
スクエニの信頼度は?
ぶっちゃけ変わらないんじゃないかなと思っています。もちろん株価は一気に下がっています。
ただ純粋なスクエニのファンは
「また延期か。いつも通りだな」とか「逆にその分クオリティが上がるんだろうから安心する。下手に中途半端な形で出されるよりもまし」といった考えを持っているかと思います。
この会社のファイナルファンタジー、ドラゴンクエストには延期がつきもの。
でもそれはゲームのクオリティを上げるため。結果としてゲームは評価されていますし、しっかり売り上げも出しています。
むしろゲームの質を上げるためには発売延期もいとわない、この姿勢は「経営者」というよりも「ゲームクリエイター」的発想であり、個人的にはこのような会社を応援したいなと思っています。
まとめ
ファイナルファンタジーXVというミリオン級タイトルがゲーム業界に与える影響というものは計り知れません。
ハードの普及、他社タイトルの売り上げ、会社の株価、名声。
おそらくPSネオやNXの発表もおそらくそろそろ。東京ゲームショーだってあります。これからの3か月でゲーム業界がどう動くか楽しみです。