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ファベーラ出身19歳奮闘 観客は熱狂

リオデジャネイロ五輪のバドミントン男子シングルス1次リーグでドイツ選手と対戦するイゴール・オリベイラ=AP

 リオデジャネイロ五輪バドミントン会場の観客席で、数多くのブラジル国旗が舞い、1点ごとに「イーゴ」コールが連呼される。男子シングルスで、リオデジャネイロ市内のファベーラ(貧民街)出身のイゴール・オリベイラ(19)の奮闘に地元の観客は熱狂した。結果は0勝2敗で1次リーグ敗退だったが「地元の皆さんの前で五輪でプレーできて、とても感動的だった」と喜びに浸った。

 ハイライトは13日にあったアイルランド選手との1次リーグ初戦だった。第1ゲームは8−21で失ったが、第2ゲームで本領を発揮する。身長183センチでひょろりと長い手足がコートを躍動した。1点が入るごとに派手なガッツポーズを見せると観客の熱は高まる。20−19から豪快にスマッシュを放ち、返球がネットに引っかかると両拳を突き上げて絶叫した。第3ゲームを落として敗れたものの「最初はとても緊張していたが、観客の声援で勇気づけられた。2セット目は実力が出せた」と胸を張った。

 父のセバスチャン・オリベイラさんが子どもたちが犯罪の道に進まないように私財を投入して建設した体育館で練習してきた。地元テレビ局に父子で紹介されたことでスポンサーを得て、国際大会を転戦するようになり、男子シングルスの世界ランキングはブラジルでトップの64位だ。

 試合後には各国のメディアから次々に取材を受けた。地元の人たちへメッセージを求められると、「僕はファベーラ出身で、今、五輪に出場している。みんなの夢もかなうと信じている」と話した。

 3歳で競技を始めた頃、周囲の友人は誰もバドミントンを知らなかった。それが五輪の自分の試合では観客席がほぼ埋まっていた。「ブラジルのバドミントンは成長していて、もっと知名度が上がる。プレーの費用は高価でないし、サポートもあるから」とさらなる普及を願った。【小林悠太】

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