脳科学ブログ（教育への架橋）

脳科学の知見を生かす（５）　　


１　ゲーム・ケイタイのやりすぎ注意！！
　ゲーム・ケイタイのやりすぎはダメ。特に幼少期はダメ。寝
る前は特にダメ。刺激が強すぎます。脳を興奮させ熟睡させま
せん。又直近の入力情報が脳回路を乱し、昼間の学習を定着さ
せません。絶対避けるべきです。
　子どもは五感を使い、手足を使い、体全体を使って成長する
ように遺伝子によってプログラムされているのです。昼の間、
思いっきり活動し、夜は「バタン・キュー！」で寝るようにで
きているのです。

　睡眠中に一日中の情報が順番に整理・記憶されます。ぐっす
り寝るのが子どもの大事な仕事、小学生は９時就寝、６時起床
です。子どもの成長を土台から崩すようなことは絶対しないで
欲しい。遅寝は運動不足、勉強不足の証拠です。給食が多く残
るような学校で良い学校はありません。

　電磁波は脳の内奥まで貫通し、脳の配線回路を混乱させます。
幼少時、視覚からの情報だけ、指先を動かすだけの習慣を長時
間続けていると、大脳の働きが低下していきます。全体のバラ
ンスが崩れます。
　
　１２８チャンネルを使った脳波測定で私も実験しました。６
年前なので１２８チャンネルでしたが、先端の研究所では現在
３００チャンネル以上を使っているようです。

　
　ゲーム・ケイタイが過ぎるとセロトニンが欠乏状態になりま
す。鬱状態はセロトニンの欠乏状態です。ゲームを始めると脳
波のうちβ波が落ちα波と重なるか、α波がの下になる現象が現
れます。β波は昼間現れる活動波、α波は睡眠中現れる安定波
です。β波が下がり脳の活性度が落ちるのです。
　
　本来子どもは火の玉、動き回ってとどまることがないもので
す。子どもの健康度は「遊びや勉強」に現れます。「テレビと
ゲーム」ではありません。


　幼児に絵を見せ語りかけているときの情報の流れです。もの
は目→視床→視覚野→角回→ウエルニッケ→ブローカ野→前頭
前野→運動野へ、音は耳から聴覚野を通って→角回→ウエルニ
ッケ→ブローカ野→前頭前野→運動野へと脳全体を回ります。
　イメージしながらまねて手足・体を動かしているのです。
→

　前頭前野が発育不全で抑制がきかなくなった場合はどうでし
ょうか。前頭前野は我慢中枢・思いめぐらし中枢です。人間性
の中枢です。その前頭前野をパスし直接行動するのですから大
変です。
　
　考えることも我慢することもありません。カッときたり暴れ
たり、前後見境なく行動し、キレた状態になります。前頭前野
の抑制が外れ、扁桃体の命ずるまま衝動的な行動をしているの
です。

　練り鍛えられた人間は、扁桃体の喜怒哀楽・海馬の記憶・前
頭前野の抑制が豊かにしかもダイナミズムにバランス良く発達
しているのです。脳が発達未熟だと集中力や継続力、記憶力ま
で低下し、すぐにキレたりおこりっぽくなったりします。

＊ゲームやケイタイばっかりしていると、創造力や人間らしさ
　（理性・道徳心）、感情を表現する働きが低下します。前頭
　前野の活動が低くなるためです。

＊長崎の小6女子の同級生殺害事件などパソコンの影響とも言
　われています。
　�@　人間らしさを司る前頭前野の働きが極端に低下し、自己
　　　抑制が欠落していた。
　�A　インターネットに嫌なことを書かれ、動物脳の扁桃体に
　　　焼き付けられ、トラウマのような状態になっていた。
　�B　恨みつらみが重なり、善悪の判断が困難になっていた。
　�C　一気に「殺す」行動に走ってしまった。・・・森教授対
　　　談（ＭＯＫＵ）


２　ゲーム・ケイタイ克服作戦（東本小）　　　　　　　　　　
（１）生活アンケート３回（５月・９月・１月）
　　＊実態を把握し、全体的な傾向をつかむとともに各児童へ
　　　の指導に生かす。
　　＊５月アンケート終了後の家庭訪問・面談で助言・指導
（２）森教授の「脳の元気度調査（脳波）」の実施
　　＊その結果に基づく各児童へのコメントと指導
（３）「テレビ・ゲームは時間を決めて」の啓発と指導
　　＊テレビは一日１時間以内、ゲームは１５分以内
　　＊外あそびのすすめ　
　　＊読書と感想文のすすめ
（４）森教授の直接授業（H16･9･3）
　　＊入力と出力の一体化、メモする・教える・発表す
　　　る。
　　＊書く作業が脳を活性化する。
（５）読書をする。音読が前頭前野を活性化
　　＊週４回の朝読書（月、火、水、金）
　　＊読書ボランティアによる読み聞かせ（月曜）
　　＊授業での音読と家庭での音読の宿題
　　　（音読カード使用）
（６）音楽を聴く。
　　＊音楽は「心の教育」の中核、歌の溢れる学校にす
　　　る。
　　＊脳幹はリズム、大脳辺縁系は情動、大脳皮質は総
　　　合、「リズム・メロデー・ハーモニー」は三位一
　　　体である。
　　＊右脳はイメージ、左脳はリズムをリードする。
　　＊低学年：カスタネット・タンバリン・たいこなどリズム、
　　　中学年はメロデー、高学年はハーモニーである。
　　＊叙情溢れる文部省唱歌を生かす。
　　＊クラッシック音楽を重視する。
（７）運動をする。（セロトニンが出て、脳の働きを調節する
　　　　・・・情動が安定）
　　＊一人当たりの一日の運動量を圧倒的にふやす。
　　＊体育授業がポイント、鉄棒・リレー・サッカーなど一人
　　　当たり活動量・運動量のマックスを目指す。
　　＊全員が万歩計をつけ運動量や運動密度を測定する。
　　＊外遊びを奨励する。朝遊び・20分休み・昼休み、全員が
　　　外に出て遊ぶ。教室に残さない。
　　＊ウォーキング、縄跳び、リズムのある運動、太鼓たたき
　　　等が有効である。
　　＊お手玉は集中力がつく。1個・2個・3個と増やしていく。