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【社会】

市民発の政治「始まったばかり」 解散シールズ、自然体の言葉で

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 終戦記念日の十五日に解散した学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」は二〇一五年五月の結成以来、それぞれのメンバーが等身大の言葉で民主主義を語り、幅広い世代の共感を呼んだ。十五日に公開した三分五秒の動画による解散メッセージでも、日常の目線で政治を語ることの大切さを訴えた。 (大平樹、中山高志)

 シールズは二〇一三年十二月に成立した特定秘密保護法に反対する首都圏の学生グループを母体として、一五年五月につくられた。国会前などのデモでは、短い言葉でリズミカルに声を上げ、従来のデモのイメージを変えた。

 「水着とか、まつエク(まつげの付け毛)をいつ付けるかとか悩んでる人間が、政治に口を開くことはスタンダードであるべきだ」。安保法が国会で審議入りした直後の一五年六月、国会前で女性メンバーの紅子さんがスピーチした内容は話題となった。

 メッセージでも「個人として路上に立つのと同じように、『わたし』の声で政治を語ること」の重要性を訴え、「末永く、ねばりづよく続けていく必要があります。その積み重ねは、いずれは日本の自由と民主主義の盾となる」と記した。

 今年七月の参院選では野党統一候補の擁立に奔走。中心メンバーの奥田愛基(あき)さんは応援演説で「選挙に行こうよ」と聴衆に語りかけた。メッセージでは、三十二の一人区で十一人が当選した結果について「市民が立ち上げる政治は、ようやく始まったばかりです」と指摘。解散を宣言した上で「終わったというのなら、また始めましょう。始めるのは私であり、あなたです」と呼び掛けた。

 シールズのドキュメンタリー映画「わたしの自由について」を制作した映画監督の西原孝至(たかし)さんは、シールズが社会に影響を与えた背景について「彼らや彼女らにとって、政治に参加することは、勉強やアルバイト、恋愛の延長線。『ふだんの私』のままで政治に参加していいんだ、という雰囲気をつくったことが大きい」と話した。

 

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