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少なくともあの情報はあまりに一方的だし、多少は擁護しておきたい。
断っておくけど中の人ではない。かつて世話になったことがあるだけ。
まずはっきり言うと、確かにPCデポというのは何もかもが高い店だ。
だけどそれはあの店が価格競争をしている店ではないということが前提にある。
たとえばあの店のSDカードにはデータ復旧サービス料が上乗せされている。
そんなサービスが不要な、賢明な方はちゃんとレジでサービスをお断りしてから買うと良い。
なぜなら店側もそんな賢明な人に買い物に来て欲しいと思っていないからだ。
あの店の顧客は「パソコンやらスマホやらのことよーわからん、でも自分で調べる気なんかない、でも使いたい、なんでもかんでも手取り足とり教えてくれてくれよ、なんなら全部やってくれよ、代わりに高くても金は払ってやるから」というタイプの人である。もしくは何でも自分でできる人のためにパーツ販売もあるが。
そういう店だから、他の量販店ではまずやってもらえないようなことをサポート契約さえ結べばマジでやってもらえる。メーカーに聞けとしか誘導しない他の量販店と違って、その場で解決できそうなことはほとんどしてくれる。やりかたを教えてくれるのではない、やってくれるのだ。
アカウントの設定や引き継ぎ、必要なソフトのダウンロード、そのソフトの利用にアカウントの設定が必要ならそれまでやってくれる。サポートの契約者なら、他の携帯ショップで契約したスマホでも、LINEのトーク履歴を引き継ぎしてくれといえばしてくれるし、パズドラのアカウントがわからなくなったといっても調べてくれる。まあ老人はLINEもパズドラもしないかもしれないが、たとえばWordで町内会のフリーマーケットのお知らせを作ろうとした時、Microsoftアカウントの設定だの、Officeライセンスのアクティベーションだの、果てはローマ字入力からひらがな入力に変えたいだの、独居老人にはそういう困難が待ち構えているだろう。
だがそんなことにヤマダ電気は答えちゃくれない。Microsoftなら答えてくれるかもしれないが、キーボードの入力すらおぼつかない老人がいったいどうやってそこまでたどり着くというのだ。そう、息子や娘しかない。しかし、我々若い世代も、いちいち老人のパソコン使いたい願望になど答えてやれない。しょぼい小遣いで頼まれたって「お前なら簡単だろ」なんて言われて面倒くさいだけだ。普通は「じいさん、もう歳なんだからパソコンなんて無理だよ」でおしまいである。悲しく袖にされた老人は、それでもパソコンが便利そうだし、スマホつかってみたいし、という話を仲間の老人同士のお茶会で話してみるわけだ。するとここで仲間のおばあちゃんから店の救いが訪れる。「あら、それならPCデポだったらちょっと高いけどなんでもしてくれるわよ」。
老人が店に行くと、もうよくわからないパソコンを比べて回る必要などない。困っていることや悩んでいることさえ告げればいい。まず椅子に座らせてくれる。暑い時なら冷たいお茶も出してくれる。待ち時間には菓子を出してくれる。シルバー世代は特に手厚く扱われる。店員は求められなければ難しい言葉でスペックなどの話はしない。「何がしたいか、どうすればそれができるか」。これだけだ。
老人は買った後に何に困るのかすら知らないが、店員は「わからなくくなったらいつでも教えます」と言ってくれる。老人の説明など店員も理解しがたいのだが、根気強く聞いてくれるし、わかるまで話に付き合ってくれたりする。
電源の入れ方だけではない、コンセントの配線やらケーブルの刺し方まで、自宅の間取り図を聞いて、図に書いて教えてくれるのだ。細かい字の説明書を開く必要は一度もない。パソコンを買ったら店の中のテーブルの上に置いて、実際に電源を入れて、こうやって使うんですと実演してくれる。その場でしたいことを聞けば、横に座った店員が代わりに操作して教えてくれるのだ。無線マウスの電池まで入れておいてくれる。実際あの店に行ってみればいい。テーブルに座って使い方を教わってる人が結構多いはずだ。
しかし実際には老人にパソコンは結構難しいので、家に帰ってからも結構難儀する。そこで電話をかける。そう、もちろん電話でも教えてくれる。家に来て欲しいと頼む。ここは有料だが当日でも来てくれる。なお、PCデポはiPadをサポートとセットで契約させていることが多いが、パソコンがいまいち分からんという客にとって、iPadというのは結構役に立つのだ。だいたい基本的なやりたいことはiPadでほとんどできてしまう。そのうえ結構簡単で、メーカーごとに勝手が違うパソコンと違い、電話で店員も教えやすい。ごく一部パソコンでしかできないことのためにパソコンがあるのだが、それ以外のことはiPadで結構簡単にできますよと教えてくれる。あの店がサポートにiPadをセットにしているのはそういうわけだ。もちろん事前にAppleIDも指紋認証もちゃんと設定してくれるし、パスワードや秘密の質問を決めるのも手伝ってくれて紙に書いてくれる。まあここはセキュリティ的にダメだろと思うのだけど。
あとはサポート台数が気になる人もいると思うが、あれは最低台数であって、10台持ってなくたって問題ない。
何が言いたいかというと、高額な月額料金にも、高額な解約金にもちゃんと理由がある。
まっとうに商売としてちゃんと必要経費と儲けを計算して作られている。
もちろん老人が痴呆だとか、正当な判断力で契約を行えていないとかいう事情があった場合は(話題の発端である事例もそうかもしれないが)、消費者生活センターとか、法的な手続きで訴える正当性があると思う。しかし、そうした個別の事例がビジネス全体を否定することにはならないと思う。
PCデポに独居老人が契約するのはごく自然なことなのだ。家族がサポートしてくれないのだから。
初心者ほど「あんまり使わないから安いのでいいわ」なんて言いながら、格安SIMで使い方に困ってサポート不足を嘆くし、みんな人が横に座って教えてくれることのコストと価値とありがたみをもっと分かるべき。
増田で埋もれてスルーされるには惜しいので、元ツイートの人にこのアドレスを教えてあげてはいかがか。 俺はこの文章を読んでちょっとイメージが変わった。そういうタイプのお店な...