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とあるおっさんのVRMMO活動記 作者:椎名ほわほわ
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ダークエルフの街中の様子&再会

どうでもいいことかもしれませんが、成長武具は数種類ほどプレイヤーの手にわたっています。書く機会があれば。
「目的の場所はこっち……付いてきて」

 トイさんの先導で段々畑が左右に展開している階段を降り、森を抜けた事で大きくなったとらちゃんも伴いつつ街中に入る。街中にダークエルフが居るのは当然として、妖精族や龍族も多数見受けられる。街の外見は一言で言うとヴェネツィアのような建物が並ぶ。エルフの村とは違って、全般的に人工物がメインであることと、建物に芸術性を出している所がはっきりと違うな。

 街で見かけるダークエルフのみなさんは、全般的に男女共に軽装。女性だと胸と腰にだけ簡単な物をつけて、へそやら肩やらを丸出しにしている人もかなり多い。プロポーションに自信があるからこそできるんだろうか? 女性のプレイヤーと思わしき人が羨望と憎しみが混じったような視線を向けている。

 銀髪褐色肌に加え、プロポーションも出るところはしっかり出て、控えめにするべき部分は控えめになっているダークエルフの女性を見りゃ、嫉妬もするだろうな。どうしてもスリーサイズという名の呪縛はなかなか抜け出せるものでもないし。ダークエルフのお姉さんもその辺は理解しているのか、だらしない表情でガン見している男性プレイヤーに向かって投げキッスのサービスをしている所も何回か見受けられた。

 そんな光景を何度も横目で見ながら、トイさんの先導の下で街の目的地を目指しているのだが……行く先はやはり長老の家方面か。そうして街中をしばらく歩くと、噴水があるかなり大きな広場に出た。そこでは一人の女性ダークエルフが手に持った吟遊詩人が使うようなハープで、静かな曲を奏でていた。曲のタイトルなどは知らないが、それはまるで鎮魂歌のような雰囲気を漂わせている。

「貴方も過去に一度会ったと思う。あの子が私の義理の妹で、今回の連絡役でもある……」

 そういえば以前、妖精国で一回だけダークエルフに出会ったことがあったな。あのときの子か……今の曲を弾いているときのもの悲しげな表情にだまされてはいけない。あの子はそんなおとなしい性格はしていない。

 曲を終えて周りを見渡すダークエルフの女性。こちらに気がついた……というよりは、トイさんに気がついたのだろう。こちらにゆっくりとやってきて、トイさんの手を取る。

「姉さんお久しぶり、いろいろと話は聞いてるわ。その影響で、いくつか変なうわさがこっちでも生まれている状況よ。そのうわさの真偽をはっきりさせる為にも、姉さんの到着を待っていたわ。やっぱり肝心な事は、水晶の記憶と直筆の手紙を受け取りたいから」

 ハイエルフ関連の話は、すでにこっちにもある程度伝わっているか。ハイエルフと何かしらの衝突を起こした人が、自分以外にも居る可能性は十分にある。

「とにかく、ハイエルフ達との衝突の状況を、ダークエルフの長老様に直接報告したい……長老様は大丈夫なの?」

 トイさんがダークエルフの女性に確認を取る。そこからは二人の声のボリュームが落ちて、ほとんど聞こえなくなった。まあ聞き耳を立てるつもりもないので、二人の話が終わるのをのんびりと待つ。それから待つ事数分後、どうやら内緒話が終わったらしい。話を終えたトイさんが此方にやってきた。

「今回はありがとう……これが達成報酬」

 と、5000グローをここでもらった。これで仕事自体は無事完了だが……トイさんの今後の予定を聞いておくか。

「確かに受け取った。で、これからトイさんはどうするんだ? とりあえずダークエルフの長老様に何かしらの報告に行くというのはわかるが、その後の予定は? すぐにエルフの村へと帰るのかい?」

 自分の質問に答えたのは、トイさんではなくダークエルフの女性の方だった。

「貴方しだいだけど、私達二人としばらくPTを組まない? 行き先は谷の下になるわ。一人で冒険するよりはいいでしょ?」

 そんな事を言いながら、自分の耳に顔を寄せて来るダークエルフの女性。そしてこう囁いて来た。

(森でいろいろと問題があった直後だからこそ、独りになっちゃダメ。私は前に言ったわよね? おねーさんは強いのですって。時には他の人に寄りかかってもいいのよ?)

 そんな囁きが終わった後に、自分の頬にチュッ♪ とキスを残していくダークエルフの女性。え? と自分が顔を向ける前に、トイさんがずかずかと近寄ってきて、ダークエルフの女性のほっぺたをむにむにと引っ張り出す。

「貴女は……いきなり何をやってるのよ……!」

 ボソボソと喋りながらも、怒気が混じった声を出すトイさん。その光景をとらちゃんと一緒にあっけにとられつつ眺める。そんな姉妹喧嘩? が数分続き、ようやくトイさんがダークエルフの女性のほっぺたから手を離す。ダークエルフのほっぺたは、トイさんが掴んでいた場所だけ見事に赤くなっていた。

「姉さん、結構本気で痛かったわよ……?」

 その赤くなってしまった頬をさすりながら、ダークエルフの女性はトイさんに抗議に視線を向けるが、トイさんは何処吹く風といった感じでつーんとした表情を崩さない。

「ま、まあこれといった予定は自分にも無かったし、PTに入るというのなら無理に断る理由も無いが……ところで実に間抜けな話で申し訳ないんだが、まだお名前を聞いていないんだがな?」

 この妙な空気を変えるついでに、いまだに教えてくれないダークエルフの女性のお名前を聞いておきたかった。それに行き先が森ではないからハイエルフ達にかち合う事もないだろうし、エルフとPTを組んでも問題はないだろう。

「あ、そういえばここまで言ってなかったわね。本名は長くなるし、何らかの儀式のときにしか使わないから普段使っている愛称で良いのよね? 私はライナと呼ばれてるわ。よろしくね」

 ライナさんね、メモメモっと。

「了解、ライナさん。所で一旦ここで分かれる前に聞いておきたいんだが、自分ととらちゃんが泊まれる宿屋を紹介してもらえないかな?」

 ライナさんに質問すると、ダークエルフの街にもとらちゃんを始めとした案内役が休める場所がある事と、そこそこのお値段でそこそこの質を保っている宿屋をいくつか紹介してもらえた。この後トイさんとライナさんはダークエルフの長老の元で話し合いだろうし、自分はログアウトを行って、リアルで就寝していいだろう。

「じゃあ、自分はこれで失礼します」

 トイさんとライナさんにそう告げて、立ち去ろうと後ろを向いたときに背中から抱きつかれた。背中に当る感触から、抱きついたのはライナさんだろう。なぜ解ったのかの追求は避けていただきたい、トイさんに殺されかねないので。

(ふふっ、これからしばらく楽しませて貰うからね?)

 左の耳をペロッとなめられた後に開放される自分。これはPTに入れると決断したのは早まったかな……? とらちゃんを専用の休息地に預けた後に、長期滞在できる宿屋を探す。

 ライナさんにお勧めされた宿屋を回って、6件目でようやく一部屋空きがある宿屋を見つけて泊まる事にする。部屋の広さも一人用と考えれば十分なスペースがあるから、室内で薬草の調合などを行う事も出来るだろう。とりあえずそれは明日以降で良いな……ベッドにもぐりこみ、この日はログアウトした。
この子は、話で言うと『襲来・後編』にでてきたダークエルフの女性です。
かなり登場までに間が開いてしまいましたが。

スキル

風迅狩弓Lv16 剛蹴(エルフ流・若輩者)Lv30  百里眼Lv22 技量の指Lv17 小盾Lv26 隠蔽・改Lv1
武術身体能力強化Lv52 スネークソードLv46 義賊頭Lv17
妖精招来Lv7 (強制習得・昇格)(控えスキルへの移動不可能)

追加能力スキル

黄龍変身Lv1.04

控えスキル

木工の経験者Lv1 上級薬剤Lv18  釣り LOST!  料理の経験者Lv8 鍛冶の経験者LV18 人魚泳法Lv9 

ExP 13

所持称号 妖精女王の意見者 一人で強者を討伐した者 竜と龍に関わった者 妖精に祝福を受けた者 ドラゴンを調理した者 雲獣セラピスト 人災の相 託された者 龍の盟友 ドラゴンスレイヤー(胃袋限定) 義賊 人魚を釣った人 妖精国の隠れアイドル  悲しみの激情を知る者

二つ名 妖精王候補(妬) 戦場の料理人

進化武器 護魂の弓

Atk+110 魂弓こんきゅう 所有者が変身中のみ使用可能 魂をささげた者の力が宿っている 大きさが必要に応じて変化

特殊能力 貫通力強化(中) 大雷光招来(確率低) 大砂塵招来(確率低) 矢が光状になり、命中直前に4本に分裂する 大妖精の魔薬(ランダムで状態異常を付与する、確率中)弦1本 サハギンの水膜(水による矢の威力減衰無視) エルフの魂(一部の弓技を変身中でも使用可能)
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