鳥越氏インタビューが波紋「ネットは裏社会」「ペンの力なんか信用してない」
東京都知事選(7月31日投開票)で野党統一候補として出馬し、落選したジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)がネットニュースサイトに答えたインタビュー記事が波紋を広げている。公式サイトから都知事選への記述が削除されたことを問われると、「(ネットは)しょせん、裏社会」などと回答。新聞記者出身ながら「ペンの力なんか全然信用していない」とも述べる迷走ぶりで、「まるで暴走老人だ」との声もあがっている。
インタビューを掲載したのはハフィントンポスト日本版。
選挙戦の結果を問われた鳥越氏は「まあこういう結果だったな」などとあっさり。週刊誌に「女子大生淫行疑惑」を報じられながら、説明責任を果たさないと批判された点については「(疑わしいと思うのなら)『勝手に思え』と思って全部切った」などと語った。
その厚顔ぶりが際だったのはネットメディアに対する“見識”だった。
動画配信サイト「ニコニコ生放送」の候補者討論会に出席しなかった理由を問われると「ニコ生は基本的にメディアとして認めていない」。公式サイトから都知事選の記述が消えたことについては自身の“関与”を否定したものの、「ネットにそんなに信頼を置いていない。しょせん裏社会だと思っている」などと言ってのけた。
これには、選挙で支持母体だった民進党内からも批判の声が上がった。
板橋区議の中妻穣太氏はブログで、「Twitterを見て応援してくれた方々も裏社会の人間ですか」と呆れた様子。選挙活動に最低限必要なのは礼節、誠実、真摯、感謝とチームを引っぱろうとする姿勢だとし「そういうものがない候補者が負けるのは、当然のこと」などと突き放した。
ネットメディアをこき下ろした鳥越氏だが、批判の矛先は自身の出身母体にも向けられた。
立候補した背景について問われた質問で、「僕はペンの力なんか全然信用していません。だから、選挙の中で訴えるという一つの手がある(と思った)」と語ったのだ。
元新聞記者、週刊誌元編集長という肩書のほか、韓国の市民参加型ネット新聞「オーマイニュース日本語版」の元編集長という経歴もある鳥越氏。新旧メディアに身を置き、情報発信してきた人間のこの発言をどう受け取ればいいのか。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「選挙戦であれだけ利用したツイッターなどネットの存在を認めないばかりか、出身媒体までも否定し、共闘した野党までもけなしている。信用できるのは自分だけといった状況で、これはもはや、『老害』『暴走老人』と呼ぶしかない」と指摘する。
また、公式サイトから都知事選の記述がなくなったことについては「経歴に傷がついたと納得できなかったのだろう」と推察。「鳥越氏なりの『忘れられる権利』を行使したといえるのではないか」とも語っている。