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2閣僚が靖国参拝 安倍首相は玉串料を奉納 

【右】靖国神社を参拝する高市早苗総務相と【左】丸川珠代五輪担当相=いずれも東京都千代田区で15日、猪飼健史撮影

 安倍晋三首相は終戦記念日の15日、東京・九段北の靖国神社への参拝を見送り、代理人を通じて玉串料を奉納した。安倍内閣の閣僚で同日に参拝したのは、高市早苗総務相と丸川珠代五輪担当相にとどまった。尖閣諸島を巡り緊張関係が続く中国や、慰安婦問題に関する日韓合意で関係改善の兆しが見える韓国、東アジア情勢の安定を求める米国に一定の配慮を見せた形だ。

     首相は同日、西村康稔・自民党総裁特別補佐を通じて「自民党総裁・安倍晋三」名で玉串料を私費で納めた。首相は第2次安倍内閣発足から1年にあたる2013年12月に靖国参拝してからは参拝していない。終戦記念日の参拝見送りと玉串料奉納は4年連続となった。この日、千鳥ケ淵戦没者墓苑での慰霊に向かう途中、「どのような気持ちで玉串料を納めたのか」と記者団から問いかけられたが、立ち止まらず無言で官邸を後にした。

     高市氏は参拝後、記者団に「国策に殉じた方々への尊崇の念を持って感謝の誠をささげた」、丸川氏は「かけがえのない命をささげた皆様に感謝の気持ちでお祈りした」と語った。内閣からはこのほか、萩生田光一官房副長官らが参拝した。超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は67人が集団参拝した。山本有二農相は15日の記者会見で「6日に参拝した」と明らかにした。11日には今村雅弘復興相が参拝している。

     第2次安倍内閣発足後、13〜15年の終戦記念日には3閣僚が参拝してきた。今年は首相に近く、例年、終戦記念日に参拝している稲田朋美防衛相の動向が注目されたが、アフリカ東部ジブチの視察を理由に見送った。首相や主要閣僚の参拝見合わせは、参拝に反発してきた中韓両国への配慮があるとみられる。

     中国は連日、尖閣諸島周辺で公船による接続水域航行や領海侵入を繰り返し、東シナ海で一方的な海上ガス田開発を進めるなど、強硬姿勢を示している。日本政府としては、9月に中国・杭州で開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて調整中の日中首脳会談も念頭に、対立のエスカレートを避けたい思惑がある。

     韓国との関係では、昨年末の日韓合意以降、進みつつある関係改善の流れに水を差すべきでないとの判断がある。日韓両政府は12日、合意に基づき設立された元慰安婦支援の財団の事業内容で大筋合意し、事業が本格化する運びだ。【高本耕太、飼手勇介】

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