「○○○○○○○○殺人事件」で鮮烈デビューした「奇才」の新作! 上木らいちは多くの客と援交している高校生で、優秀な探偵でもある。殺人現場に残された十二枚の遺体のカラーコピー、密室内で腕を切断されて殺害された教祖、らいちをどこからか監視する謎の視線――数々の難事件をセクシーに解決するらいち。その驚くべき秘密が明かされる時、本格ミステリはまた一つ新たな扉を開く! さらに高度で、さらに過激な快作誕生!!
講談社のKINDLE本が50%投げ売りセール中なので山ほど新書を買ったんですが(実用書中心)、ひさびさにミステリでも読むかと「○○○○○○○○殺人事件」早坂吝の二作目を購入。
読んでみました。
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援交をしている女子高生 上木らいち。
彼女を中心にその援交相手はそれぞれらいちのマンションに歯ブラシを一本ずつ置いている。
一回五万円、一人一日ずつで歯ブラシは七色。
そんなライチが探偵役、援交相手が絡む事件を解決(?)していくという一風変わった作品だけれども、さすが「○○○○○○○○殺人事件」の作者だけに普通のミステリのわけもなく。
連作短編の形式を取りつつ(一話一話で完結しつつ繋がっている)殺人事件のアリバイトリックもあればストーカー事件や密室の謎、バカミストリックもあれば叙述トリックまで組み込まれている。
しかも事件の解決は基本下ネタにまつわるのでバカミスに傾倒しそうになるところを、全体のトリックの充実っぷりやバランス感覚で本格に保っている辺りはセンスの賜物。
ギリギリのラインでのエロミスmeets新本格を成立させてる。
そういう意味では早坂吝って一貫してるといえば一貫してる。
エロミスジャンルはブルーオーシャンなので(エロミス作家っていない気が)トリックが残ってるといえば残ってるのかもしれない。
「六トン」バリの宗教団体教祖はひっくり返りましたが。
エロミスというとB級な感じもするが、新本格ミステリとしてキッチリ作ってある。
特に終盤の展開は一体何を読んでるのかと思ったら……。
まさか今作の探偵役 援交女子高生 上木らいちの二作目まで書かれることになるとは。
しかもエロミスと社会派って……。
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