油の話、その2

2016年08月15日15:11  日記



前回に引き続き油のお話。

前回、二重結合を1つでも持っていると「不飽和脂肪酸」として分類され

二重結合の数が多いほど酸化しやすいというお話を書きました。



脂肪酸の「系列」


s044.jpg


これ↑はオレイン酸の構造式で、「」の部分が二重結合しているところ。

二重結合の数が1つなので、オレイン酸は「一価不飽和脂肪酸」です。

二重結合が2つ以上ある場合は、一番左にある二重結合の位置を見ます。

どの位置で二重結合をしているか」によって「脂肪酸の系列」が決まります。

脂肪酸のメチル端末というところから9個目の炭素に二重結合がある脂肪酸を「n-9系列」と言い、

「n-6系列」は6個目、「n-3系列」は3個目に二重結合がある脂肪酸の事を言います。

3、6、9、この数字たちに見覚えがありません?

オメガ3、オメガ6、オメガ9です。

オメガなんちゃらというのは、何個目に二重結合があるか、という分類なんですね。

その分類方法を「オメガクラシフィケーション」というそうです。

(オメガ=最後、クラフィシケーション=級別・種別・類別)


って書いてて今「あれ?」と思ったんですけど↑の構造式、n-9系列であるはずのオレイン酸の構造式なのに

9個目ではなく8個目のところに二重結合があって、炭素(C)がひとつ足りてない…?ネットで拾ってきた画像なんですけど、間違ってるのかな。w

こちら↓のほうが分かりやすいですね。こちらもオレイン酸の構造式で、数字のルビが振ってあり、9個目の炭素(C)に二重結合があることが一目瞭然です。


oreinacid1.gif


9個目に二重結合があるので、オレイン酸は「n-9系列」、すなわち、オメガ9と呼ばれる脂肪酸なわけです。

オレイン酸を多く含むオイルとして、オリーブオイルや大豆油、ナッツ類などが挙げられます。


「オメガ3」って??


近年何かと取り上げられているオメガ3。

オメガ3系列の代表的な脂肪酸は

・α-リノレン酸

・エイコサペンタエン酸(EPA)

・ドコサペンタエン酸(DPA)

・ドコサヘキサエン酸(DHA)

で、オメガ3系列の脂肪酸を多く含む、亜麻仁油、えごま油、しそ油、そしてフィッシュオイルがこの数年で一気に脚光を浴びるようになりましたよね。


以前、「オメガ3」という記事を書いていて、

そのときにも代替医療師バニラさんのブログから引用させていただいたんですけど (しかしこの記事、今は削除されてしまっていました> <)


亜麻仁油 (フラックスシード油) やら エゴマ油やら

ございますね~ これは 油シリーズを参照してね

こういった 植物系の油には オメガ3 だけではなくて

オメガ6も また オメガ9も いっしょこたなのです~

その比率が よく言われる事でして

オメガ3 を 50%以上も 含有しています!

とかって 宣伝文句があるでしょう

はい 問題はありませんのですが 

ここには オメガ6も

30%とか それ以上 入っている事が 少なくないのよ



というのを読んで衝撃を受けました。

オメガ6は「必須脂肪酸」(体内では作り出せないことから、食事などを通して外から補わなければならない油)ではあるものの、過剰に摂取すると、炎症を主とした様々な疾患を引き起こします。

そしてこのオメガ6の代表であるリノール酸を、日本人は摂りすぎている傾向にある、という話を聞いたことないですか?

オメガ6が多く含まれているのは紅花油やひまわり油、コーン油などです。

オメガ3が「良し」とされる理由の1つに、オメガ3は、オメガ6を摂りすぎた場合に起こる不均衡を調整する、という特徴があります。

オメガ6を過剰摂取すると

アレルギー促進、炎症促進、血栓促進、血液を固める

のに対し

オメガ3の働きは

アレルギー抑制、炎症抑制、血栓抑制、血管拡張

です。


オメガ3:オメガ6は、1:1~1:5が理想的だそうですが

実際には1:10〜1:50になっているとも言われているそうな。

ちなみにですが、2005年からの厚生労働省の「食事摂取基準」によると

男性であればオメガ6は11g/日、オメガ3は2.6g以上/日

女性であればオメガ6は9.5g/日、オメガ3は2.2g以上/日

とされています。


そして、これまた「オメガ3」で引用させていただきましたが、

オメガ6も同時に摂取してしまう油を使うくらいなら、トランスファット0、オメガ9がメインの「エキストラバージンオリーブオイル」を使うほうがいいと聞き、積極的にオリーブオイルを使ってたんですけど

それは、使用しているエキストラバージンオリーブオイルが、「本物の」エキストラバージンオリーブオイルなら、という話なんですよね。

オメガ3」を書いた頃は、「エキストラバージンオリーブオイル」とラベルに書かれていれば、そうなのだろうと信じていました。(悲)

ですが、実はそうではないと知った今(参照)、単純に「オリーブオイルを使っていればいい」という話ではなくなってきます。


で、先ほどの話に戻るのですが

亜麻仁油やエゴマ油などの植物性オイルは、

オメガ3も多いかわりに、

オメガ6も一緒に入っていて、その含有率が30%、あるいはそれ以上入っていることが少なくない、ということ。

一方フィッシュオイルは、オメガ3が豊富で、オメガ6は微量、というのが特徴。

さらに、これもまた「オメガ3」で引用させていただいたのですが


私はフラックスシードオイル(植物系オメガ3)の類をお勧めしません

なぜならオメガ3というのは非常に酸化しやすい油。

いくら有機JASで、コールドプレス(低温圧搾)で、遮光ビンに入ってて、冷蔵保存していたとしても、

瓶詰めされたものが本当に酸化していないかどうかをきっちりトレーサビリティしている工場を私は知りません。

もし本当にそこまで品質管理しているなら1本1万円はくだらないですし、

何よりオイルが空気に触れず、酸化しないような、脱酸素などの工夫が瓶自体に必要です。


もしそうでないものを使っているなら、

酸化している可能性が非常に高いので、残念ながら健康のためにもやめておいた方がいいかもしれません。

それはオメガ3ではなくオメガ6に変わっています。

これでは本末転倒ですね



というのを読んで、なるほどなと思ったのですよ。

先日書いたオリーブオイルにしてもそうなんですけど、「品質」って、「生産者」あるいは「流通に関わる人たち」の善意や誠意に依存している部分が大きくて、「本当のところは分からない」もので溢れています。

遮光瓶に入っているものだって、ただでさえ「本当のところは分からない」のに

亜麻仁油やエゴマ油などの酸化しやすい油が遮光性のない「透明の瓶」に入って売られているのを見ると

「え、、、??」

って思うんですよ。

遮光瓶に入っているかどうかが絶対的な「安心要素」ではないけれど、少なくとも、遮光瓶に入れるのは「必要最低限の仕様」だと思うんです。

懸念すべきなのは、遮光瓶を使用していながら中身を偽装していることだったりで、このあたりの偽装は悪質だし巧妙だなあ…と思うんですけど

ある意味、遮光瓶が使われていない油は、分かりやすく「これは、ないな」と最初からはじくことのできる条件だと思うんです。あくまで私の一意見ですけれども。

「品質管理」などの実態は、こちら側からは「見えなさすぎ」るので、信頼のおけるメーカーを探すしかないのですが

これを探すのが難しくて「食の安全ってどこ…!!?」と途方に暮れるところでもあります。(;;)

亜麻仁油やエゴマ油が悪いというわけではないんですが、信頼出来るメーカーを私は今のところ知らないですし

仮に知っていたとしても、加熱に不向きで酸化のしやすいこれらのオイルを、私のように一人暮らしで期限内に消費するのはかなり大変です。

そういうのもあって、オメガ3の摂取は、植物性オイルの亜麻仁油やエゴマ油に頼るよりも、

フィッシュオイル、その中でも、「酸素に触れないようカプセル化されているもの」のほうがリスクが少ないのでは、というのが私の思うところなんですね。

なので、オメガ3に興味を持ちはじめた頃は「AOZA」というフィッシュオイルのサプリメント↓を摂っていたんですけど



1日の摂取目安量が5~20粒なので、1日5粒で済ませたとしても1瓶で2ヶ月分。

それで10800円っていうのは私にはちょっとお高くて、続けづらかったんですね。

なので今は、Nordic Naturalsというところのオメガ3サプリを飲んでいます。



fc2blog_201607290020261e4.jpg




>>> Nordic Naturals, オメガ3, レモン, 1000 mg, 180ソフトゼリー

Nordic Naturalsのオメガ3は、エリカアンギャルさんがおすすめしていたものなのですが

180粒入りで、1日の摂取目安量が2粒なので、約3ヶ月分。

カプセルに入っているとは言え、冷蔵庫で保存しています。


iherbにはオメガ3の推奨用量は、1日当たり500mgと書かれているんですけれども、↑にも書いたように、厚生労働省では理想の一日の摂取量を、男性で2.6g以上、女性で2.2g以上としています。

そのうち、EPAとDHAの合計が1g以上になることが望ましいそうです。

Nordic Naturalsは2粒当たりにEPAが330mg、DHAが220mg、そのほかのオメガ3系脂肪酸が140mgで、トータル690mgのオメガ3脂肪酸が含まれているとのこと。

ちなみにAOZAのほうはと言いますと、10粒当たりのDHAが178.2~328.4mg、EPAが216.5~281.7mgだそうです。

なので先ほど「1日5粒で済ませたとしても」と書きましたけれど、5粒では1日当たりの推奨用量に全然満たないことが分かりますね。

このように、オメガ3に限った話ではないんですけど、

日本のサプリは、成分の含有量のわりに価格が高すぎるんですよね…(=_=;)

私は日本人なので、そりゃあできることなら国内でお金を落として、国内でお金を回したい、と思うんですけど

こういうの(成分の含有量と価格)を目の当たりにしてしまうと、国内のサプリで必要推奨量を補いつつ、それでいて「続けやすい」価格のものを買うって難しくって

iHerbなどの個人輸入に消費者が流れて行ってしまうのは自然な流れなのだろうなあ…と思う今日この頃です。


ちなみにですが、前回もご紹介したTimeless Editionに

理想的なオメガ脂肪酸の摂取方法というのが載っていて

オメガ3:オメガ6が 1:1〜1:5のオイルが紹介されていましたので参考までに。


まだまだ勉強中ですので、「それ間違ってるよー!」なんていう箇所がありましたら、インスタやTwitterなどでご指摘いただけると幸いです。すぐに訂正させていただきます。m(_ _)m

あ、そうそう!

先日のオリーブオイルの記事で「OLIVE JAPAN」の賞を受賞した国産のオリーブオイルをほとんど見つけられなかったことを書いていましたら、


国産オイルが見つからなかったのはnanaさんの探し方が悪いのではなくて、今はオフシーズンだからです。

果実から搾るオリーブオイルには旬があって、収穫後の秋~冬にその年の搾りたてオイルが味わえますよ!

その年の収穫量にもよりますが、国産は希少で人気なので、たいてい売り切れちゃうんです…

今年の搾りたてをぜひ味わってみてください!



という「そうだったのか!」という嬉しいコメントを頂きました。Nさんありがとうございました!!^^


関連記事
次の記事