北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が「われわれが信じられるのはただ自分の力しかない。誰もわれわれを支援しようとはしない」と述べた。朝鮮中央通信が13日に報じた。
同通信によると、金正恩氏は平安南道の順川化学連合企業所を視察した際「われわれが豊かで強くなるのを願わない帝国主義者たちの卑劣な孤立圧殺策動は、ますます悪辣(あくらつ)になりつつある」とした上で、上記のように述べた。国際社会からの制裁で北朝鮮は外交的な孤立が進み、外貨獲得にも大きな打撃を受けているが、金正恩氏の一連の発言は、圧力に苦しむ北朝鮮の現状に対する不満を示したものとみられる。その一方で金正恩氏は「自分の力を信じれば万里の道も咫尺(しせき、ごく近いこと)になり、他人の力に頼れば咫尺も万里になる」と強調し「自力更生」を訴えた。金正恩氏は「自強力第一主義の価値を高めて進んだ時、占領できない要塞はない」とも語った。
金正恩氏はここ1カ月の間に平壌市内のスッポン養殖場、平安南道平城の合成皮革工場、白頭山建築研究院、千里馬建築資材工場など経済・産業関連施設への視察を続けている。
金正恩氏による最近の動きについてある韓国政府関係者は「金正恩氏は最近になって工場など経済関連施設への視察を続けているが、これは核実験や長距離弾道ミサイルの発射などで国際社会からの制裁が厳しくなっているため、住民の不満をそらすことと、閉鎖的な自立更生政策により危機を克服する意図があるようだ」とコメントした。