韓国軍当局が地上発射ミサイルのほか、空と海から北朝鮮のミサイル基地などを攻撃可能なミサイルで構成される「韓国型三軸体制」の構築を目指していることも注目点だ。三軸体制は米国が冷戦時代の旧ソ連の核兵器に対処するため、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機という陸海空の抑止力を構築したことに由来する。韓国軍の三軸体制の構築計画は7月11日に開かれた国会国防委員会で韓民求(ハン・ミング)国防部長官(国防相)が初めて言及した。韓長官は当時、北朝鮮の原点を攻撃する強力な攻撃武器を保有する必要性を主張した野党議員の質問に対し、「そうした面で韓国がいわゆる『三軸体制』といった概念を発展させ、内部で計画がかなり具体化している」と答弁した。
韓国型三軸体制には今年末以降に導入される射程距離500キロメートルのドイツ製空対地ミサイル「タウルス」、開戦初期に北朝鮮の防空網を避け、北朝鮮の戦略攻撃目標を精密攻撃するF35ステルス戦闘機(2018年導入)、3000トン級潜水艦から発射する潜対地弾道・巡航ミサイル(20年以降導入)などが含まれている。北朝鮮は前方から後方までスカッド、ノドン、ムスダン、KN08などのミサイルを3本の軸線(ベルト)に配備している。
一方、韓国軍当局は非武装地帯(DMZ)付近に配備された北朝鮮の長射程砲を破壊する韓国型GPS誘導爆弾(KGGB)に米国の軍用GPSを搭載し、北朝鮮のGPSかく乱を受けても長射程砲を精密攻撃する能力を整える。韓国空軍が13年から運用しているKGGBは最大射程距離が110キロメートルの精密誘導爆弾で、北朝鮮が山の反対側の坑道に隠した長射程砲も破壊可能だ。