THAAD:中国メディア、「韓国バッシング」報道を再開

 共産党機関紙の人民日報が発行する英字紙グローバル・タイムズもTHAADが朴大統領の弾劾に用いられる可能性があるという趣旨の記事を掲載し、韓国野党「共に民主党」の金相坤(キム・サンゴン)代表候補が「国民の声に耳を閉ざしていれば、朴大統領の弾劾も成立しかねない」と討論会で発言したことを伝えた。同紙は「共に民主党内部でTHAAD反対論が広がっており、金候補ら党代表選挙の出馬者はさらに強硬な対応を求めている」と伝えた。しかし、同紙は韓国ギャラップが先週行った世論調査で、THAAD配備に賛成する回答が前月を6ポイント上回り、反対の回答が1ポイント減少した事実には全く触れなかった。

 党機関紙の人民日報も同日、3面に「韓国政界が激しい対立局面に」と題する記事を掲載し、韓国国内での対立状況を強調した。同紙は「THAAD配備に抗議の波が1カ月以上続いており、慶尚北道星州郡では毎日キャンドル集会が開かれ、セヌリ党の党員2000人余りが離党届を提出した」といった事実を伝え、「政界の論争が激化し、韓国の最大市場である中国を失うのではないかという韓国国内の懸念が高まっている」と書いた。

 中国メディアが一心不乱に圧力をかけてきていることに対し、韓国政府は真っ向から対応することを避けている。南南対立(韓国国内での対立)を誘発させようという中国政府の意図が明らかな状況で、韓国政府がメディアの主張に細かく反論し、戦線を拡大する必要はないとの判断だ。韓国政府当局者は「大統領府(青瓦台)が前回、中国メディアの報道姿勢について、『本末転倒』だと一度立場を表明したことで十分だ」と述べた。別の政府筋は「中国メディアの非理性的な報道が続けば、彼らの意図に反し、『中国はひどすぎる』という国内世論ばかりが広がることになる」と指摘した。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員 , イム・ミンヒョク記者
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