THAAD:中国メディア、「韓国バッシング」報道を再開

 韓国への終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題をめぐっては、リオデジャネイロ五輪開幕で一時やんでいた中国の宣伝攻勢が先週末から再開された。中国メディアは韓国国内で一部浮上している大統領弾劾論を強調するなど、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領を狙った記事を相次いで掲載した。

 中国メディアは韓国の世論調査でTHAAD配備を支持する意見が増えたことには全く触れず、中国に都合が良い事実だけを選んで報じた。韓国政府はひとまず模様眺めの姿勢だが、政府関係者は「中国が行き過ぎた報道を行えば、政府としても見過ごすことは難しい」と述べた。

 英字紙チャイナ・デーリーは13日、THAAD配備が朴大統領の対中外交の成果を打ち消すという趣旨の記事を掲載し、「朴大統領がTHAAD配備という政治的失敗でこれまで中国との関係で積み上げた成果を消し去った」(黄有福・中国民族大教授)という主張を伝えた。黄教授は同紙のインタビューで、「韓中関係は朴大統領の就任以降、頂点に達し、昨年9月に朴大統領が中国の抗日戦争勝利70周年軍事パレードに出席した際には中国人の賛辞を浴びた」とした上で、「朴大統領が任期後半に近づき、これまでの成果を消し去った点は残念だ」と述べた。黄教授は「朴大統領は後継者に混乱を引き継ぐことになった」とも主張した。

 チャイナ・デーリーによれば、中国国際問題研究所の時永明研究院は「THAAD配備は韓半島(朝鮮半島)に新たな冷戦をもたらす。THAAD配備はあらゆる面で誤った決定であり、韓国国内で激しい対立を招いている」と分析した。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員 , イム・ミンヒョク記者
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