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首都圏にデータセンター(DC)が相次いで建設されている中で、地方にDCを設置するIT企業が現れた。デジタルマーケティングを展開するメディックスが、新潟県のIT企業や金融機関などの支援を受けて、最大2000ラックを収容する最新鋭DCを長岡市に建てる。マーケティングに欠かせないデータ分析を実現するDCビジネスに乗り出す考えのようだ。
実際にDC事業を運営するのは、メディックスが新潟県のIT企業2社(BSNアイネットとフジミック新潟)と2015年4月に設立したデータドックだ。寒冷地の特徴を生かした外気と雪氷冷房による空調によって、消費電力の大幅な削減を図るDCを2017年10月に竣工、2018年2月にサービスを開始する予定。
データドックの宇佐美浩一社長兼CEOは、「競争力は機械冷房を使わないことと、東京から2時間以内にいけること」などを挙げるとともに、DC事業に参入する3つの理由を説明する。
第1は、ビッグデータ分析を実現すること。マーケティングのデータ分析を得意とする親会社のメディックスとのシナシー効果で、例えば顧客企業がネット通販を開始する際に、「こんなインターネット広告にし、ホームページ(HP)をこう改善したら」と提案する。
結果、商品は以前より何個多く売れたのか、どんな人たちが購入したのか、といったさまざまなデータが得られる。顧客企業のマーケティング部門はそんなデータを収集、分析し、広告やHPにさらに改善し、販売数をさらに伸ばす施策を練る。
ところが、IT部門が「セキュリティ上の問題から、データは外に出せない」と拒む。仕方がないので、マーケティング部門が必要なデータを入手し、メディックスに渡すが、リアルタイムなデータではないので対策が遅れる。刻々と変化するデータから次の一手を考えるには、基幹システムとの連携が欠かせない。そこで、自らDCを運営し、マーケティング部門とIT部門が事業拡大に向けた一体化を図れる環境を整えることにしたというわけだ。
第2は、DCの抱える課題を解決すること。「ビッグデータ分析には、高性能、かつ柔軟なITインフラが必要になる」(宇佐見社長)が、それに応えられるDCが少ない。
ちなみに、同社によると、2010年以降にサービスを開始したDCは全体の5%程度で、多くのDCの老朽化が進み、供給電力や床耐荷重、空調消費電力などの課題が表面化している。特に空調消費は、DCの消費電力量の4割強を占めている。ここを限りなくゼロにするうえで、寒冷地のDCは有効な方法になる。
水野昌広会長(メディックス代表取締役)は7月12日の会見で、「機能の優位性から必ず成功すると確信した」と、競争力のあるDCになると語ってきた。例えば、空調電気の削減に加えて、土地や人件費、経費などの削減によって、首都圏DCに比べて、38%の原価削減を見込めるという。
多くの企業においてITに求められる役割が、「守り」のコスト削減から「攻め」のビジネス貢献へとシフトしつつある。その中でIBMが提唱する新たなビジョンEnterprise Hybrid ITとは?
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