将棋の羽生善治王位(45)=王座、棋聖=に木村一基八段(43)が挑戦している第57期王位戦7番勝負(北海道新聞社主催)の第3局は10日午前9時、旭川市の旅館「扇松園」で指し継がれ、午後7時10分、111手までで、先手番の羽生が勝ち、対戦成績を2勝1敗とした。

 持ち時間各8時間のうち、残りは羽生5分、木村1分。第4局は22、23日、福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」で行われる。

 1勝1敗で迎えた本局は、1局目と同じ横歩取りの戦型となった。2日目は羽生が封じ手の4六角(37手目)から攻めに回り、本格的な戦いに突入したが、木村は1四角(80手目)、5一桂(84手目)など徹底して受け、一進一退の展開に。終盤は羽生が3二金(97手)から再び優勢となり勝ち切った。

 立会人の塚田泰明九段は「攻めの羽生王位、受けの木村八段それぞれの持ち味を生かした対局。先手が細い攻めを辛抱強くつないだ勝利」と振り返った。

■銀を取り勝ち意識

 羽生善治王位の話 こちらから攻めていきましたが、2九角成(64手目)と馬を作られた局面は自信がありませんでした。その後の攻めも細かったです。終盤の3一飛成(105手目)と銀を取って攻める形になり、これでいけると思いました。

■自滅みたいな形に

 木村一基八段の話 封じ手までは前例のある形ですが、受け身になったのはどうだったか。8六歩(49手目)では苦しく、最後は分からなくなりました。チャンスがきたのかもしれませんが、自滅みたいな形で終わったのは残念です。