数年後には、分隊レベルでの劣勢は現在よりも深刻になる。現在、韓国陸軍の分隊は10人が基準だ。しかし10万人以上の兵力削減に伴い、2020年代初めまでに1個分隊8人に減らされる。これに対し、北朝鮮軍の分隊は12人程度だ。数年後には北朝鮮軍の分隊が、韓国軍の分隊と比べおよそ1.5倍の兵力を持つことになる。こうした兵力および火力の劣勢を挽回するために作られたのが、K11複合小銃だった。K11は、5.56ミリ自動小銃と20ミリ空中さく裂弾を組み合わせたもので、世界で初めて実戦配備された複合型小銃だ。2010年から韓国軍への配備が始まったが、空中さく裂弾の爆発事故、装備の誤作動など問題が相次いだため、現在では「厄介者」扱いされている。1丁1600万ウォン(現在のレートで約146万円)もするK11の事業が難関にぶつかり、分隊戦闘力増強計画そのものが揺らぐことになったと指摘されている。ある消息筋は「現在のK11は、人工呼吸器で命をつないでいるも同然。事業を続けるのかどうか、韓国軍当局は速やかに決断を下す必要がある」と語った。
最近、北朝鮮の核ミサイルの脅威が目に見える形になってきているのに伴い、これに備える「重厚長大型」軍事力の建設に、韓国政府・軍の全神経が使われているかのようだ。しかし、韓国軍の基礎を固めることもまた重要だ。この分野にも、国防費を優先的に配分できるようにしなければならない。