そのサイトの責任者だという人物は、フォーラムで「韓国は必ず報復されるだろう」と語った。それは、メディアのレベルで互いに理解を広げようとする討議ではなく、脅迫であり、侮辱だった。「中国シルクロード」フォーラムの招請に応じて中国を訪れた、外国の報道関係者の面前で口にしていい言葉では決してなかった。見かねた韓国の報道関係者の一人が「THAADは北朝鮮の核のせいであって、北朝鮮の核には中国も責任がある」と指摘すると、この機関員は興奮した。「南シナ海問題に埋もれてTHAADが適当にやり過ごせると思うな」という声も聞かれた。
「こちらが大国だということを知らないのか」という中国人の大国病は、今や党の下の機関員までもが大っぴらに「大国」「小国」うんぬんと言うほどになった。今回のフォーラムでも「偉大な中華民族」という声を何度か聞いたと思う。THAADや南シナ海など、それぞれ考えが異なる国の間の問題では、お互い言い分があるものだ。こういうとき、中国は「大国対小国」という目で問題を見る。双方が衝突したら小国が引いて当然、という考え方だ。西海(黄海)の境界線を、等距離ではなく人口比率の通りに決めようという奇想天外な発想も、ここから来ている。南シナ海問題で中国人が一層腹を立てているのも、フィリピンという小国にやられたからだ。THAADも同じだろう。
「第2の毛沢東」といわれる習近平国家主席がどういう報告を受けたのか、「THAAD反対」を公に宣言した以上、中国は報復すると思う。既に、中国で仕事をしている韓国人が肌で感じている。中国人があまり顔を合わせようとせず、会っても「周りから『韓国人と会うな』と言われる」という話を付け加える。ことさらTHAADの話を持ち出す人もいる。中国は、取りあえず韓国でTHAAD反対運動が大きくなることを望んでいる。星州に住む盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の大統領秘書官を訪ね、その人物が主張する反対論を人民日報に大きく掲載したのも、その一環だ。そうやって、適当な時期に韓国世論を分断させる報復カードを切ることができる。