【コラム】中国に「韓国は御しやすい国」と思わせるな

 天安爆沈事件、延坪島砲撃事件という北朝鮮の相次ぐ挑発は、北東アジアの安全保障の「内情」を露呈した。国際社会はG2と呼ばれていた米国と中国に責任ある行動を求めたが、中国は制裁レベルの要求さえ無視し、逆に制裁を妨害した。中国は、天安爆沈を受けた北朝鮮制裁要求には「北朝鮮がやったという証拠がない」と主張し、韓米合同軍事演習に対しては「域内に緊張をもたらす」として猛反発した。

 中国が高慢な態度で一貫することができたのは、韓国国内の分裂という「信じるところ」があったためだ。当時、政界やメディアの一部は天安爆沈事件をめぐる「陰謀論」を絶えず提起し、延坪島砲撃事件後も北朝鮮への対応をめぐり韓国国内は四分五裂した。野党は「戦争か、平和か」という論理で北朝鮮よりも韓国政府を批判のターゲットとし、政府と与党は野党を説得するのではなく「どの国の政党なのか」と非難することで安保問題を内政に利用した。元外交当局者は「中国にとってみれば、自分たち同士で殴り合う韓国ほど『御しやすい国』もなかっただろう」と振り返る。

 それから約6年がたった。だが、韓国への配備が決まった米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」をめぐる韓国国内の状況と中国の姿は、6年前とよく似ている。自国の利益ばかりを追い求める中国には、しばらくは大国としての責任ある行動を期待し難いだろう。ならば、まずは韓国を「御しやすい国」と中国に思わせないようにするところから変化を目指すべきだ。韓中関係において中国を高慢で無責任な国にした責任の多くは、韓国にあるのだから。

鄭佑相(チョン・ウサン)政治部次長
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】中国に「韓国は御しやすい国」と思わせるな

right

関連ニュース