【コラム】中国に「韓国は御しやすい国」と思わせるな

【コラム】中国に「韓国は御しやすい国」と思わせるな

 2010年11月の北朝鮮による韓国・延坪島砲撃事件の直後、中国の外交トップだった戴秉国・国務委員(副首相級)が2日間の日程で韓国を訪れた。黄海での韓米合同軍事演習を翌日に控えた日だった。戴氏らは11月27日午後3時「韓国に行くのでソウル空港を空けてほしい」と伝え、15分後に中国の空港を離陸し、到着直後に李明博(イ・ミョンバク)大統領との面会を要求した。韓国の外交長官が訪中直前にこれを通知し、習近平国家主席との面会を要求することを想像すれば、中国がいかに「無礼」だったかが分かるだろう。

 翌日に李大統領と会った戴氏は、1時間ほど歴史の話などの雑談を交わすと、出し抜けに北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の開催を提案した。戴氏は今年4月に出版した回顧録で、北朝鮮の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記を「友情を分かち合った友人」と表現し「彼と築いた友情を生涯忘れない」とつづった。

 戴氏を通じて中国の「実在」を思い知ったとすれば、中国メディアの有様は北朝鮮による10年の韓国海軍哨戒艦「天安」爆沈事件直後に韓国外交部庁舎を訪れた中国報道陣の姿から読み取ることができた。記者たちは中国共産党機関紙の人民日報、共産党系紙の中国青年報など複数のメディアに所属していたが、韓国人記者たちが国連の北朝鮮制裁に反対する中国を批判すると、口々に「緊張をもたらしているのは米国と韓国だ」と反発した。人民日報の記者がガイドライン的な発言をすると、他社の記者たちも同じような意見を口にした。記者というより政府の立場を代弁する広報担当の役人のようだった。

鄭佑相(チョン・ウサン)政治部次長
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